あなたの腸は「デブ菌」だらけかもしれない。ダイエットと腸内環境の深い関係 | ~たけし、タモリも…「1日1食」で熟睡&疲れナシ~

~たけし、タモリも…「1日1食」で熟睡&疲れナシ~

『無敵の「1日1食」 疲れ知らずで頭が冴える!』
さあ、元気に歳でもとりますか!それに女性は明日の美しさを迎えにいこう。

腸内環境が健康と美容に深く影響していることは前回お伝えした通りだが、新たな事実が判明した。

なんと、腸内には“痩せ菌”と“デブ菌”なるものが存在し、デブ菌が優位になると、ただ水を飲んだだけでも太ってしまうのだとか。中年太りに悩むアナタの腸内は、もしやすでにデブ菌だらけかもしれない……。

ということで、今回も10カ月で25kgの減量に成功した工藤孝文先生にインタビュー。痩せ菌とデブ菌について詳しく教えてください!

「痩せ菌」と「デブ菌」には大ボスが存在する
「腸内には、脂肪を燃焼しやすい体にしてくれる『痩せ菌』と、脂肪や糖をため込む性質を持つ『デブ菌』があるんです」と語る工藤先生。

まさに寝耳に水だが、いったいどういう菌なのだろう?

「善玉菌と悪玉菌の存在は有名ですが、実は『日和見菌(ひよりみきん)』という菌が腸内にはいちばん多く、全体の約7割を占めています。そしてこの日和見菌こそ、『痩せ菌』と『デブ菌』の大ボスなんです」。

腸内細菌は大きく3つのグループに分かれることは既報の通りだが、「善玉菌」「悪玉菌」より多いのが実はこの「日和見菌」で、どうやら「痩せ菌」と「デブ菌」を指揮する親玉なのだとか。

つまり、同じ子分同士なのに、真逆の性質を持つってことなのか?

デブ菌が増えれば水を飲んでも太る!?
「日和見菌のうちの『痩せ菌』は、体内の脂肪を燃焼しやすい状態に導いてくれる『バクテロイデス門』というグループ菌に属しています。便秘改善にも繋がるので、痩せ菌が多いとお腹周りもスッキリします。

一方のデブ菌は『フィルミクテス門』というグループ菌で、栄養が吸収された残りカスからもしつこく栄養を吸収する性質があり、脂肪や糖を体内にため込んでしまうんです」。

なるほど、痩せ菌とデブ菌では、所属する部門が違い、その性質も真逆という話のようだ。しかしこのデブ菌とは、聞けば聞くほどやっかいな存在である。

「腸内にデブ菌が多い人は、頑張って運動をしたり食事制限をしても痩せにくいことが分かっています。残念なことに、水を飲んでも太る体質になっているのです」。

水で太る……だと!?

カロリーがゼロの水で太るなんて悲劇だが、それに気付かず日々ダイエットに奮闘しているなら、もはや喜劇ではないか。

痩せ菌が増えれば、多少食べすぎても太ることがないらしいが、工藤先生、どうやったら痩せ菌を増やせるか教えてください!

痩せ菌の要は「善玉菌」にアリ
「日和見菌の痩せ菌は善玉菌が大好物。痩せ菌を増やしたいなら、腸内の善玉菌を増やすのが近道です」。

実はこの日和見菌、実はその時々で力のある勢力につく、ずいぶん調子のいいボスなのだという。

「日和見菌は優勢なほうに味方する性格なので、腸内の善玉菌が多ければ善玉菌にくっつき、悪玉菌が多ければ悪玉菌にくっつきます。覚えていてほしいのは、痩せ菌は善玉菌を好み、デブ菌は悪玉菌を好むということです」。

繰り返しになるが、腸内の善玉菌を増やせば痩せ菌も増えるというわけだ。

痩せ菌を減少させる12のNG習慣
では、善玉菌を増やし、痩せ菌を優位にさせる方法は?

工藤先生によると、「痩せ菌の多い腸、つまり“痩せ腸”を作るには、ストレスのない元気な腸を作ることが大切で、食べものだけに限りません。体の使い方や働き方、生活習慣へのちょっとした配慮が必要です」とのこと。

オーシャンズ世代が注意したい、痩せ腸を邪魔する12のNGを先生にピックアップしてもらった。みんなはいくつ当てはまる?

(1)ハードな筋トレをしがち

ハードすぎる筋トレやジョギングは、交感神経が優位になるため腸にストレスをかけてしまう。便秘になりがちで悪玉菌が増える原因に。息切れしない程度の早足で15~20分歩くのがおすすめだ。リラックス状態になり、腸の状態も良好に。

(2)食べてすぐゴロリと横になる

食べた直後に横向きに寝ると、消化物が胃の先へ送られにくくなり、消化不良を起こす心配が……。椅子に座ったり、軽い運動をしたりして消化を助け、糖が取り込まれるのを防ごう。

(3)大きめのトートや斜めがけかばんを使う

腸の働きを悪くさせる原因のひとつが姿勢の悪さ。重いトートバッグを片側の肩にかけると体の歪みが助長され、腸にも負担がかかる。重さを左右の肩に分散できるリュックを使うのがベスト。

(4)便秘気味のときに赤ワインを飲む

ポリフェノールが豊富な赤ワインは体に良いとされているが、便秘の場合は話が別。赤ワインに含まれるタンニンやアントシアニンは便秘を悪化させやすいため、できるだけ控えよう。どうしてもお酒が飲みたいなら、1日1缶(350ml)程度のビールにとどめておこう。

(5)夕食が一番ボリューミー

胃がもっとも活発に動くのは寝ている間で、便を作り出す大切な時間帯。就寝前にボリュームのある食事をすると、胃は消化活動に忙しくなり、便秘になりがち。便秘はデブ菌を増やすため、ガッツリ食べるなら昼食がおすすめだ。

(6)包丁いらずのカット野菜

日和見菌の多くは土の中にある「土壌菌」と同じ。土壌菌は腸内細菌の多様性を守ってくれる腸活のエースで、カット&洗浄されすぎた野菜にはほぼ存在しない。できれば泥がついた野菜を購入して生に近い状態で食べるのが吉。

(7)長時間のスマホ操作

何気なくスマホを見ているつもりでも、脳は膨大な情報処理に追われて疲弊してしまう。「第二の脳」といわれる腸と脳の関係は密接のため、脳の慢性疲労は腸内環境を悪化させる原因に。

(8)パソコンの画面が目の高さより低い

体重60kgの人で頭の重さは約6kg。背中を丸めた状態が続くと、首や背中への負荷は激増し、猫背姿勢に。猫背は内臓や背骨に沿って走る神経を圧迫するため、腸の動きも鈍くなりがちだ。パソコンやスマホを見るときは目の高さに合わせて。

(9)起きる時間がバラバラ

自律神経と大腸は深く関連しているため、慢性的な睡眠不足や時差ボケが続くと、自律神経のリズムが狂い、腸内環境を悪くさせることに。睡眠の乱れはデブ腸へまっしぐら、と肝に銘じておこう。

(10)寝る前に自分にダメ出しする

深い睡眠に入ると腸はよく動き、便が作られ、翌朝スッキリ。これが腸にとってのベストリズムだが、そのために欠かせないのが上質な睡眠だという。自分の良かったところを思い浮かべ、幸せな気分に浸って入眠するのがおすすめ。

(11)抗菌薬のとりすぎ

風邪で病院にかかった際に処方されるのが抗菌薬。風邪が悪化して細菌感染を起こさないための予防だが、腸内の善玉菌も殺してしまうデメリットが。医師に「処方は必要最小限にしてほしい」と伝えるのも手だ。

(12)便をソッコーで流す

便は自分の腸内環境を知るのにベストな方法。排便後にソッコーで流さず、色や硬さ、量などを確認する習慣を身につけよう。

工藤先生曰く、男性も女性も痩せ体質な人の9割は痩せ腸だという。なかなか体重が減らなかった人、その原因は自分ではなくデブ腸にあるのかも。思い当たるなら、痩せ菌を増やす腸活に励んでみてはいかがだろう。

ぎぎまき=取材・文