女性の国民年金・厚生年金の平均年金月額を1万円刻みでチェック
おひとりさまのシニア女性です。厚生年金「月額15万円以上」をもらえる女性は何パーセントですか?
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将来、いくら年金を受け取れるか気になる方も多いのではないでしょうか。
今回、相談してくれたシニアのおひとりさま女性は「月額15万以上」厚生年金を受給する女性はどれだけいるのだろうか……と気になっているようです。
2024年1月19日に公表された厚生労働省の資料によると、2024年度の厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)は23万483円、国民年金の満額は6万8000円であることがわかりました。
ただし年金受給額は、年収や厚生年金の加入期間によって変わります。また、会社員、自営業、パート等の働き方によっても変わります。とくに女性は、結婚や出産などのライフイベントを機に働く環境が変わる人も多いでしょう。
今回は現状の女性の年金事情に注目し、データを確認していきます。
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まずは、女性の「国民年金」の受給状況をチェック!
厚生年金について確認する前に、日本の公的年金制度の1階部分にあたる、国民年金の受給状況もみてみましょう。
厚生労働省から公表された「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、女性の国民年金受給額を見ていきましょう。
〈全体〉平均年金月額:5万6316円
・〈男性〉平均年金月額:5万8798円
・〈女性〉平均年金月額:5万4426円
国民年金の平均月額は5万円台で男女差はありませんでした。
【女性】2022年度末現在「国民年金」の受給額分布
・~1万円未満:5万3569人
・1万円~2万円未満:21万9105人
・2万円~3万円未満:66万9218人
・3万円~4万円未満:200万2527人
・4万円~5万円未満:329万3371人
・5万円~6万円未満:482万3874人
・6万円~7万円未満:635万6980人
・7万円以上:137万3941人
女性の国民年金の平均月額は5万4426円でした。ボリュームゾーンは6万円~7万円未満ですので、月額6万円台の年金収入の女性が多いようです。
保険料が全員一律となる国民年金では、大きな個人差は生じにくいと考えられます。
「厚生年金」月額15万円以上の女性は何パーセント?
次に、同資料より女性の「厚生年金」平均受給月額の結果をチェックしていきましょう。
【厚生年金保険(第1号)】男女別・年金月額階級別受給権者数(2022年度末現在)© LIMO | くらしとお金の経済メディア
出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成
〈全体〉平均年金月額:14万3973円
・〈男性〉平均年金月額:16万3875円
・〈女性〉平均年金月額:10万4878円
※国民年金部分を含む
全体では月14万円台となりましたが、男女別に見ると約6万円の差があります。女性の方が男性に比べて、育児や介護などライフイベントで時短勤務や役職の変更など働き方が変わりやすいことなどが理由と考えられます。
【女性】2022年度末現在「厚生年金」の受給額分布
・1万円未満:1万8838人
・1万円以上~2万円未満:5649人
・2万円以上~3万円未満:4万9991人
・3万円以上~4万円未満:8万8044人
・4万円以上~5万円未満:7万9829人
・5万円以上~6万円未満:9万6142人
・6万円以上~7万円未満:24万7838人
・7万円以上~8万円未満:44万5242人
・8万円以上~9万円未満:67万9961人
・9万円以上~10万円未満:85万3550人
・10万円以上~11万円未満:78万4733人
・11万円以上~12万円未満:60万2971人
・12万円以上~13万円未満:42万5915人
・13万円以上~14万円未満:30万500人
・14万円以上~15万円未満:21万7785人
・15万円以上~16万円未満:15万8271人
・16万円以上~17万円未満:11万3832人
・17万円以上~18万円未満:7万6975人
・18万円以上~19万円未満:5万1987人
・19万円以上~20万円未満:3万6135人
・20万円以上~21万円未満:2万3752人
・21万円以上~22万円未満:1万5400人
・22万円以上~23万円未満:9745人
・23万円以上~24万円未満:5971人
・24万円以上~25万円未満:3370人
・25万円以上~26万円未満:1854人
・26万円以上~27万円未満:916人
・27万円以上~28万円未満:435人
・28万円以上~29万円未満:178人
・29万円以上~30万円未満:126人
・30万円以上~:326人
女性の厚生年金の平均月額は10万4878円でした。ボリュームゾーンは「9万円以上~10万円未満」で、女性の場合、10万円前後の方が多いようです。
また、厚生年金を月額15万円以上受け取る女性は、女性全体の9.3%(49万9273人)。1割にも満たないことが分かりました。
厚生年金の年金額は、現役時代の年収に影響される仕組みです。先に触れた通り、キャリアを積み上げることにおける男女差が、年金額にも表れているのかもしれません。
とくに、現在のシニア世代が現役の頃は、女性の社会進出が珍しい時代でした。結婚や出産、育児といったライフイベントを機に家庭に入ることを選択するのが「普通」とされていたことも影響しているでしょう。
「年金」という側面から、働き方を考えることは、ライフプランを組み立てる上で重要な要素かもしれません。
老齢年金の見込額を「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認しよう
慌ただしい日々を送る現役世代は「老後」にまで頭が回らない方も多いでしょう。
しかし、年金額データを確認してみて、長い老後を過ごすには年金収入だけでは不安と感じた方は少なくないと思います。
年金だけでは足りない部分は、自分で準備しておかなければいけません。「老後のこと」ではなく「いまからやるべきこと」として行動していく必要があります。
とくに厚生年金は個人差が大きいため、自分の場合どれくらいもらえるのかを把握しておきましょう。
現時点の加入記録に基づく年金見込額は、「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で確認できます。老後に向けて準備を始めるためにも、年金見込額を確認してみてください。
おひとりさま女性も、ぜひ早めの老後対策を
女性は男性と比べて結婚や出産を機に働く環境が変わるケースが多く、年金受給額が少ない傾向が見て取れます。年金だけを頼りにして老後を迎えることは危険かもしれません。
新NISAなどで話題となっている、資産運用は老後の対策の一つ。資産運用は時間が味方になってくれるので早く取り組むに越したことはありません。
しかし、資産運用はリスクもあり多様多種です。自身のライフプランにあったものを選択していく必要があります。まずはどういった資産運用があるのか、広い視野をもって情報収集していくことから始めていきましょう。
参考資料
・厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
・日本年金機構「あなたの年金記録・年金見込額が「ねんきんネット」でわかります!」
・厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」