老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。
老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。
そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。
今回は、加給年金についての質問です。
Q:22歳年下で私は主人の扶養になっていますが、私が年金を受給する際、加給年金はもらえるのでしょうか
「私は今月62歳になります。62歳から支給される特別支給の老齢厚生年金を受給する予定です。主人は22歳年下で、私は主人の扶養になっています。私が年金を受給する際、加給年金はもらえるのでしょうか」(ふるまりさん)
A:現在、夫の扶養に入っていても、「ふるまり」さん65歳時点で一定の要件を満たせば、配偶者加給年金を受給することはできるでしょう
配偶者がいることでもらえる加給年金は、配偶者が65歳になるまでの期間、老齢厚生年金に上乗せされます。
配偶者加給年金をもらうためには、老齢厚生年金をもらう人が65歳時点で厚生年金に20年以上加入していること、一定の要件を満たす配偶者の生計を維持していること等が必要です。
そのほかに以下のような要件も満たす必要があります。
・配偶者が65歳未満であること
・配偶者の年収が850万円未満であること
・配偶者が被保険者期間20年以上の厚生・共済年金期間に基づく特別支給の老齢厚生年金、老齢厚生年金を受け取る権利がない、または障害厚生年金を受けていない
相談者「ふるまり」さんは現在、夫の扶養に入っているものの、65歳時点で夫の収入(失業や収入低下など)や生計同一の要件を満たしていれば、加給年金をもらえる可能性があります。
「ふるまり」さんは62歳から「特別支給の老齢厚生年金」を受給するようです。
62歳で「特別支給の老齢厚生年金」を請求するときに、年金事務所では加給年金対象者の所得や生計を同一にしているかなどを確認します。
所得や生計を同一にしているなどの要件を満たしていれば加給年金対象者として認定されます。
もし現在「ふるまり」さん62歳時点で夫の年収が850万円を超えていたとしても、配偶者の年収の要件は、過去1年または今後の見通しで判定されます。この場合、65歳になったら、年金事務所に相談してみるといいでしょう。
文:拝野 洋子(ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士)
銀行員、税理士事務所勤務などを経て自営業に。晩婚で結婚・出産・育児した経験から、日々安心して暮らすためのお金の知識の重要性を実感し、メディア等で情報発信を行うほか、年金相談にも随時応じている。