ヘアメイク歴40年の経験でわかった、あかぬけてる人に共通する「クロスの法則」 | ~たけし、タモリも…「1日1食」で熟睡&疲れナシ~

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『無敵の「1日1食」 疲れ知らずで頭が冴える!』
さあ、元気に歳でもとりますか!それに女性は明日の美しさを迎えにいこう。

 年齢を重ねると、自己流のメイクやファッションに固執してしまい、「今っぽく、あかぬけて」見せることが難しくなる。気を配っているつもりでも、かえって「若づくりがイタい」とか「どこかもっさりしていて残念」となってしまいがちなのだ。

 

【写真】小泉今日子の顔立ちは“姫”系

 そんな悩みを打開し、大人な雰囲気を維持しつつ、さらに魅力的に見せるにはどうしたらよいのだろうか。新著『60歳ひとりぐらし 毎日楽しい理由』が話題のヘア&メイクアップアーティスト・山本浩未さんに伺った。

 

 山本浩未さんは18歳で美容の世界に入ってから、40年以上、ヘア&メイクアップ業界の第一線で活躍し続け、「大人のきれい」のコツを発信している。大人の女性が、自分自身を魅力的に見せる方法を聞いてみると、「まずは自分の

 

仕事柄、これまで多くの女性の顔に接してきた山本さんによると、顔立ちは、大きく4つのタイプに分かれるという。そこから、自分の顔立ちと雰囲気を知るために、山本さんが考案したのが『ズカ姫チャート』だ。その見極め方は簡単だ。

 

「まず、骨格や顔立ちには、年齢とともに、ゴツゴツしてくるタイプと、もったりとたるんでくるタイプがあります。骨格がしっかりしていて目や口などのパーツが直線的、宝塚でいえば男役っぽい顔立ちが“ズカ”系。

 

一方、柔らかな丸みがあり、パーツが曲線的な顔立ちなのが“姫”系。ざっくりでいいので、自分で見極めてみてください」

 

 ちなみに、“ズカ”と“姫”とは、山本さんが宝塚歌劇の大ファンであることからネーミングしたという。“ズカ”はいわゆるクール系、“姫”は愛され系ともいえる。

 

「さらに、“シンプル”か“デコラティブ”かを知りましょう。目や口といったパーツが小さく控えめなら“シンプル”、大きくて存在感があるなら“デコラティブ”となります」

 

 ひと言で言ってしまえば、シンプルは「地味」。塩顔や醤油顔と言われる顔立ちだろうか。デコラティブは「派手」。ソース顔とも言える。

 

 では、この2軸から自分の顔はどのタイプか診断してみよう。判断基準となるチェックポイントをみて、どの項目が多いかで自分の系統がわかるはず。

小泉今日子は“シンプル姫”、飯島直子は“デコラ姫”、

天海祐希は“シンプルズカ”、米倉涼子は“デコラズカ”の顔タイプ

 有名人で例をあげてみると、わかりやすい。

 

【シンプルズカ】全体的に凜とした雰囲気

□スッキリとした平面的な顔立ち

□小ぶりで細い顔のパーツ

□髪は細く黒めの色が似合う

□知的でクール

 

◆有名人でいえば、小雪、天海祐希、石田ゆり子、木村佳乃、木村多江、草刈民代、戸田恵子など

 

【デコラズカ系】華やかでカッコいい雰囲気

□顔のパーツが大きい

□目鼻立ちが角ばっている

□眉やまつ毛がしっかりある

□堂々としたアネゴタイプ

 

◆有名人でいえば、大地真央、米倉涼子、萬田久子、夏木マリ、杉本彩、工藤静香、鈴木保奈美など

 

【シンプル姫系】アイドルのようなかわいい雰囲気

□顔のパーツが小ぶり

顔と雰囲気が、どのタイプかを知ることから始まります」という。

 

□目鼻立ちが丸い印象

□瞳が薄茶色

□可憐さがあり、若く見られる

 

◆有名人でいえば、伊藤蘭、黒木瞳、原田知世、YOU、桃井かおり、南果歩、阿川佐和子、小泉今日子など

 

【デコラ姫系】あでやかで女っぽい雰囲気

□顔のパーツが大きい

□目鼻立ちに丸みがある

□立体感がある顔立ち

□女度が高く華やか

 

◆有名人でいえば、加賀まりこ、風吹ジュン、高橋惠子、飯島直子、鈴木京香、中尾ミエ、草笛光子など

 

 さらに、自分の顔立ちのタイプを知ったうえで、あかぬける雰囲気づくりのポイントがあるという。「年齢を重ねると、自分の個性やタイプがどうしてもより濃く煮詰まってきます。

 

なので、もともと自分のもっている要素とは逆の要素をあえてプラスしてみる。すると、すっきりとあかぬけた感じになることに気づいたんです。私の周りの素敵な方たちを見ても、そうなんですよ」

 

 対極の要素を入れることで、その人の個性を洗練させ際立たせることができるというのだ。山本さんはこれを「クロスの法則」と名付け、「おぜんざいに添えられている塩昆布、スイカにかけるお塩」と表現する。まさにこれは「補色」の効果とも言える。

 

 補色とは、黄色と青、赤と緑、などのように対極にある関係の色を指す。コントラストが強く、美しさを際立たせ人目を引く組み合わせで、デザインなどにもよく使われている。

 

 対極の要素の取り入れ方を、メイクやファッションでどうするかというと、その具体的な方法は、「自分の顔タイプの対角線上にある要素を取り入れればいいのです。シンプル姫系ならデコラズカ系のかっこいい要素を、デコラズカ系ならシンプル姫系のかわいらしい要素をプラス。

 

また、シンプルズカ系ならデコラ姫系のゴージャスな要素を、デコラ姫系ならシンプルズカ系のすっきりとした上品な要素をプラスしてみてください。

 

 たとえば、シンプルズカ系なら、髪にカールをつけてボリュームを出したり、マスカラをしっかりつけて目を大きく強調して見せるメイクをしたり。ゴールドのアクセサリーや柄物のシャツを身に着けるなど、華やかな要素を少しプラスします」こういった意識をもってコーディネートやメイクをすると、洗練された印象が醸し出される。

もう充分ガマンしてきたから

60歳からは自分自身がご機嫌でいたい

 さらに、素敵な“リアル大人”になるのは、外見的なテクニックだけではない、と山本さん。「年齢を重ねてますます大切と感じるのは内面の魅力です。それは、自分自身を心地よくさせることから始まると思うんです」

 

 山本さんは40年間、元気に楽しくひとり暮らしを続けてきた。そこで至った結論は、自分がご機嫌よくいられるようにする、もう自分自身のことは無理にガマンしないことだという。

 

「私は来年、還暦を迎えます。自分の母親世代の60歳と今の時代の60歳は全然違いますよね。かつて還暦といえばゴールのように思われていましたが、今は新たな道が開き始める時期ともいえます。

 

これまでは家族のためや会社のためにもう充分ガマンしてきた私たち。これからはもっと自分を大切に、自分ひとりでも楽しめるように人生を充実させていきたい。

 

 ただ、確実に体は老いていますよね。見た目の老化もごまかしようがなく現れてくる。だからこそ、気持ちを前に向けることが大切だと思うんです。そのためにはやはり健康。そして美容も必ず力になってくれますよ」

 

「黒柳徹子さんみたいになりたいんです」と話す山本さん。好奇心をもって行動して、おもしろがって生きていく。溢れる笑顔の山本さんの話をきいていると、アメリカの実業家であり詩人のサミュエル・ウルマン(1840年―1924年)の有名な詩『青春』を想起する。

 

「青春とは人生の或る期間を言うのではなく心の様相を言うのだ」 人生100年時代に再び注目されるウルマンの言葉。これを現代社会で実践している山本さんのライフスタイルには、私たちがこれからの“青春”を過ごすヒントにあふれている。

 

取材・文/前川亜紀 撮影(山本浩未さん)/玉井俊行

◇Profile◇山本浩未 Hiromi Yamamoto ヘア&メイクアップアーティスト

 

1964年広島県福山市生まれ。高校卒業後、資生堂美容学校に入学。卒業後、資生堂ビューティクリエーション研究所でキャリアを重ね、多くの著名人からも信頼を得る。1992年独立以降、雑誌、広告、CF、カタログなどで活躍。自らの体験と経験を素に、美容メソッドやメイク術を発信。講演やトークショー、テレビ出演も多数。毎日12時15分から10分間行うInstagram@hiromicoyのライブ配信「毎日Beauty Live」も、元気をもらえる! とファン多数。新刊『60歳ひとりぐらし 毎日楽しい理由』の発売を記念した読書会「全国横断BOOK TOUR」を開催中。12月1日=金沢・福光屋、12月16日=大阪・阪神梅田本店