薬に頼らず健康に長生きするための心得 | ~たけし、タモリも…「1日1食」で熟睡&疲れナシ~

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さあ、元気に歳でもとりますか!それに女性は明日の美しさを迎えにいこう。

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薬学部の新入生は、最初の講義でよく、「クスリは毒です。みなさんクスリを飲んではいけません」と教えられるらしい。

 

クスリとは本来、病気や体の不調を治したり、病気になるのを予防するためにあるもの。先の薬学部の話が本当だとしたら、かなりショックなことである。いま現在、継続的にクスリを服用している人は、気が気でないだろう。

『クスリに殺されない47の心得』(アスコム刊)は、クスリから離れて幸せに長生きするための心得集。クスリを服用することのリスクを説くほか、クスリの減らし方や、クスリに頼らない健康な体をつくる健康法なども紹介する。本書によれば、クスリが必要なケースは、

◎心筋梗塞などの、命にかかわる症状がある場合

◎そのクスリを飲んだことで、飲む前より明らかに健康状態がよくなっている場合

の2つ。断薬によってクスリから自由になり、元気に長生きするための心得を説く。

■クスリの副作用を教えない2つの背景

 クスリが毒で、飲んではならないものだとしたら、飲むとどうなるか? はっきり言えば、副作用に襲われる可能性がある。その副作用について著者は、「医者は副作用を、ちゃんと教えない」と指摘する。

 

副作用が出ることを承知していても、そのことを教えない理由を、本書では明確に断じてはいないが、そういうことが起こり得る2つの背景は浮き彫りにしている。

 第一の背景は、製薬会社が大学医学部の大スポンサーになっていること。本書によれば、日本製薬工業協会のメンバー企業である70社とその子会社2社が2012年に医学界に渡した研究資金は4827億円。

 

同じ年の国の医療分野に対する研究予算が1955億円であるから、製薬会社から提供された研究資金がいかに突出しているかが理解できるだろう(同著・第1章43ページより)。

 製薬会社は医療を支える神様のような存在。しかし最近では、降圧剤『ディオバン』の製造元の社員(当時)が身分を偽って大学の研究に加わって研究データが操作されるなど、問題も発覚している。

 

データ一つで年間売上が左右されるため、製薬業界は行き過ぎた行為が横行しやすい体質であることを疑われても仕方がない。これに対し医療界は、スポンサーである製薬会社に何も言えず、癒着を疑われても仕方がなくなっている。

 

こんな現状であれば、副作用があるとわかっていても使わざるを得ず、患者には教えないというもの理解できるだろう。

 そして第二の背景が、学会が定めるガイドライン(治療指針)の存在。ガイドラインを離れて治療を行なうということは、すべて自己責任の一匹オオカミでやっていくことを意味する。

 

著者は、ガイドラインは治療やクスリの「始めどき」に大変詳しく、「やめどき」は手薄だ、と言い、その結果として次の点を指摘する。

「医療産業は『病気と見れば、あらゆる手を尽くしてとことん治療する』という哲学で発展してきたので、『様子を見る』とか『治療をやめる』ことは撤退、敗北です」(同著・第1章58ページより)日本で医者として活動するには、ガイドラインの遵守は絶対。

 

つまり、一度ガイドラインに沿って処方されたクスリは、処方し続けられることになる。ということは、副作用が出てもクスリを服用なければならない可能性もある。これでは、生きた心地がしない。

■運動はウォーキングよりもラジオ体操

 絶望したくなるような状況だが、嘆いてばかりもいられない。今求められるのは、クスリについての知識、とくに副作用についての知識を持つことだ。

 

しかし、数え切れないほどあるクスリについて、一般人が一からから勉強するのは現実的ではない。そこで著者が紹介するのが、「くすりのしおり」というウェブサイトの活用。

 

製薬会社が合同で運営する、くすりの適正使用協議会が運営するサイトで、1万4000種類以上のクスリの効能、副作用、注意点を検索することができる。病院でクスリが処方されたら、飲む前に調べてみるのがいいだろう。

 クスリの知識と同時に知っておきたいのが、クスリに頼らない習慣や健康な体づくり。それはつまり、人間に備わっている「自然に治る力」を生かすということである。

 

クスリに頼らない習慣では、身近な症状を例に挙げて対処法を紹介。例えば便秘については、生活習慣や食習慣を変えて元から断つことを強調。快便体質にするための方法を、次のようにレクチャーする。

「まず15分早起きして、起きぬけに『冷たい水』を1杯飲むクセをつけます。冬は温水でもけっこうです。これで大腸が目覚めて動き出し、便もゆるみます。

 

そして朝食の前後に、トイレで新聞でも読みましょう。リラックスすると便が出やすくなります。『朝のヨーグルト』には、便をゆるめて増量するバナナ、キウイ、アボカド、リンゴなどのフルーツを加え、食事は肉も野菜も炭水化物もバランスよく摂ること。

そして、便を押し出す腹筋をきたえる『ストレッチ』を習慣に。歯磨きしながらのスクワットなど『ながら』運動にすると忘れません。階段の上り下りも効果的なので、自宅でも職場でも意識的に階段を使ってください」(同著・第2章87ページより)

 便秘薬に頼ってしまうと「大腸にサボリクセが付いてしまう」と著者は指摘。中にはしつこい便秘で、クスリが手放せない人もいるだろうが、クスリに頼るのも限界がある。遠回りに見えるが、生活習慣などを見直して元を断つのが、根本治療につながるというわけだ。

 

一方、本書の第6章では、著者流の健康法を紹介。この中では例えば、運動としてウォーキングよりもラジオ体操を奨励している。その理由は次の通り。

「場所をとらず器具もいらず、だれでもどこでもかんたんに、約3分間で10種類以上の運動ができます。筋トレ、ストレッチ、バランス運動がすべて含まれ、体のおもな骨と筋肉をまんべんなく動かせます。また、日常生活でほとんどやらない『ピョンピョン跳ぶ』体操で全身の骨がゆさぶられ、体のゆがみを正せます。

 

構成もよくできていて、まず準備運動で体を温め、筋肉をほぐしてから強めの運動をして、後半は再び体をととのえていくので無理がありません」(同著・第6章213ページより)

 ラジオ体操の効用には、「両手を大きく広げて上体を開く運動で、肩コリがとれて頭がスッキリ」「体を左右にねじる運動で内臓が刺激され、便秘解消」「体のすみずみに血液が届いて肌がつやめき、血圧も安定する」「骨格を支える筋肉が自然にきたえられて、ぎっくり腰や坐骨神経痛の予防になる」などがあると言われている。

 

なお、行なう時間については、心肺機能やエネルギー代謝が活発な夕方が適しているとのこと。仕事中でも休憩がてら、やってみるものいいかもしれない。

 多くの人は、市販薬を含めて様々なクスリを飲んできている。クスリを飲むことで、体の不調が解消される実感を持つはずだが、その一方で、できることなら世話にはなりたくないとも思うものでもある。

 

この偽らざる本音に逆らいたくなければ、健康な体づくりに努め、クスリに頼らない習慣に切り替えるしかない。自分の体は自分で守るものだと自覚すべきなのだろう。