フランク・ロイド・ライトと菱形グリッド
五角形や六角形は、人工的な形に思えるが、実は自然の中にも見られる不思議な形である。
花びらなんかは五角形が多いし、蜂の巣や雪の結晶は六角形だ。
特に六角形に関しては、それ単体でグリッドを形成することができるので、その分可能性を感じる。
六角形のグリッドというのは、例えば下のようなものである。
六角形と聞くと奇妙な感覚を覚えるかもしれないが、いざ出来上がってみると案外普通だったりする。
上の例はフランク・ロイド・ライトの作品で、他にはこんな作品もある。
ライトの初期の作品は、ほとんどが四角形のプランの合成であるが、角だけを一部ナナメに切ったり、
45度振った四角形をぶつけてみたりと段々と崩し始める。
そしてある日、ライトはこの六角形グリッドに辿り着いた。
しかし、すぐにあることに気付いたようである。
それは、六角形には菱形が内在していて、
グリッドとしてはその菱形を使った方が適切であるというものだった。
どちらにしても120度というところで共通していて、
ライトは、この120度が創り出す空間に満足したようである。
菱形グリッドを編み出して以降このグリッドを愛用しており、
後期の作品には菱形グリッドが非常に多く見られる。
三角形は菱形を半分にした時にできる補助線によって生まれたもので、三角形が6つ集まると六角形になる。
菱形を傾けると平行四辺形になる。
菱形グリッドに補助線を引いて六角形を混在させた例。
重要なのは、120度が創り出す、90度にはない自然的でたっぷりとした感じの雰囲気である。
菱形を傾けると平行四辺形になる。
菱形グリッドに補助線を引いて六角形を混在させた例。