フォートワース現代美術館 vs キンベル美術館
<2010年9月16日 木曜日 19日目>
キンベル美術館の隣には日本人建築家:安藤忠雄が設計したフォートワース現代美術館 がある。
隣同士で有名な建築家が設計した美術館が並んでいるなんて、まるで対決でもしているかのようだ。
中に入る。
外に水場が見える。
エントランスの吹き抜け。
右が入り口、左が水場。
水に反射する建物と太陽のゆらいだ光。
左側にうっすら見える人影は、展示されている現代美術。
水場の中を縫うようにして現代美術を鑑賞する。
なかなかに楽しい経験だった。
入り口反対側から見た建物全体像。
フォートワース現代美術館とキンベル美術館が面しているバス通り。
最後はここから帰った。
対決するように建つこの2つの美術館をせっかくなので比べてみよう。
キンベル美術館は、美術館に求められる機能に配慮した間接光の創り方と、
さらにそれに配慮した建物の形はとても見事だった。
実際コンクリートの面に反射した光はとてもキレイだったし、
空間が創り出す『静けさ』のようなものも感じた。
けど、それだけだった。
フォートワース現代美術館の方は、美術鑑賞と建物が一体となっているのが魅力的だった。
それは、鑑賞していれば自ずと水場を縫って歩くことになる動線が一つで、これはそれ自体が純粋に楽しかった。
次に、展示されている現代美術とそこに与えられた空間が一体となっている気がした。
展示される現代美術のための空間ということを強く感じたのだ。
これは日本にある地中美術館 でより強く感じることができる感覚だと思うので、
お近くにおられる方や美術が好きな方は是非足を運んでみると、それなりに楽しめると思う。
ちなみに、地中美術館は私が初めて『いいなぁ』と思えた美術館で、それは建築がどうのこうのというよりは、
そこで展示される現代美術に適した空間が各々に与えられていて、それまで体験したことのないものだった。
あくまで私が直接行って見た純粋な感想を率直に言うと、フォートワース現代美術館の方が良かったと感じた。
これは、『単純に直接行って楽しいと感じた』という理由以上のものではない。
けれど、『美術館は何のためにあるのか?』と真剣に考えた時、そこで織り成される美術鑑賞が焦点になるべきであって、建築はそのためにひっそりとたたずむだけでいいのではないだろうかと、思ってみたりもするのだ。