人生のロスタイム | KeyboardだってROCKだぜ

KeyboardだってROCKだぜ

引き際を見誤った、金髪ロックキーボーディストのよもやま話。

『せいやん、50過ぎたらさ、人生のロスタイムだよ』
【SPAN】でご一緒させて頂いているギタリスト、西山毅さんから賜りました。

人生のロスタイム、いい言葉です。
ことあるごとに引用させて頂いてます。

キャリア的には、“遅咲き”の部類に入るんでしょうか。
20代半ばから、なんとなくプロの仲間入りをして、仕事としてのレコーディングやライブサポート、マニピュレートなどなど。それ以前、折しもバンドブームの渦中でやっていたいわゆる“プロ志向”(今時は死語なんですかね?)のバンドでのデビューは叶わず、とある有名ミュージシャンのライブサポートをキッカケにして、そこから色々な人たちとの出会いを経て仕事が繋がり、気がつけばそろそろ30年になろうとしています。同年代のミュージシャン方によく見られる“元○○”という肩書きを持たずにここまで来られたのは、ひとえに関わって頂いた皆さんのおかげだと思います。携わった作品を買って頂いた方、チケットを購入してライブに足を運んで下さった方、共演したミュージシャン、起用して下さった制作サイドの方々。
正直なところ、いい方ばかりではありません。詳細は書けませんがギャラの未払いをめぐり、クライアントを相手取って裁判沙汰になったこともありますし。他にも細かいトラブルは、キャリアの長さに比例して、それなりにありました。
それでも、これが天職とばかりにしがみつき、食らいつき、己の頂を目指して。まだそこまで到底辿り着けず、何合目あたりにいるかも見当つきませんが、それでも息を切らしながら登ってます。

さて、ロスタイムです。いつ終わるかわかりません。もうそういう時期に差しかかってきました。
もしかしたら明日あたりポックリかも知れませんし、ある日突然身体の自由がきかなくなって、楽器が弾けなくなるかも知れません。そう思って、『人生のロスタイム』を金言に日々を過ごしています。
体調のすぐれない日も多くなり、疲れもなかなか取れないお年頃(笑)、若い頃に無茶をしたツケが確実に回って来ていることを実感します。
人間誰しも平等に歳は取りますが、歳を取りたくないと思うのもまた人間の性。音楽業界の中にいると、自分の年齢の半分にも満たないような若者と接する機会も多々あり、血気盛んで羨ましいなーと思う限りです。
『ああ、自分もこういう頃あったなー』とか、『そうそう、そうだった』など、忘れかけていた過去を思い出させてくれます。そういう彼ら・彼女らに何かを伝えられれば、自分のロスタイムも今よりはるかに充実した時間が送れるかな、との思いもあり、世代を超えたコミュニケーションも楽しんでいます…これも、楽しいことばかりじゃありませんが、ね。

ライブ現場で行動を共にしたり、同じステージに立ったり、キャリアの差こそあれ、そうやって交流をはかれるのも音楽あってこそ、音楽だからこそ。

もう好きか嫌いかという次元は超越してしまいました。自分の中に音楽があり、音楽の中に自分がいる、そんな感覚です。

どこまで行けるかわかりませんが、もう少しだけ楽しみたいと思います。とはいってももう歳なので疲れたら小休止、疲れが癒えたらまた出発、そんな感じですかね。

突っ走るだけじゃ息切れして、いつか走れなくなっちゃいますから、せいぜい早歩きくらいのペースで。そう、自分のペースで。

まだまだ、まだまだです。

さて、これも若干ながら世代を超えたコミュニケーション…てもあっちゃん(長谷川淳氏)がちょっと若いくらいのもんですが。これにしてもです、まさかあの、『TVの中の人たち』“ハウンドドッグ”のギタリストだった西山さんと一緒にバンドやる日が来るなんて!今をときめく“Linked Horizon”のギタリストでもありますし、あっちゃんはそのベーシスト。ドラマーは“B'z”サポートや“FEEL SO BAD”のPONちゃん!そして…相変わらず肩書きのない俺(泣)。
と、そんなSPAN久々の公演が、2/25(日)静岡・富士アニマルネストで開催されます。
お近くの方は是非、ロスタイムっぷりをご覧にいらして下さいね(^^)v
{B680E445-633C-489C-A0D0-6236085E4EB2}