自分の人生で一番、心を動かされた女性は誰だろうと考えてみる。
初恋の小学生時代の三千代か、中学生時代の芳江か、高校時代の美栄子か。
もちろん、みんな勝手な片思いで、手を繋ぐどころか、満足に会話すらしたことない。
そういや、高校三年の時、急に自分の中で盛り上がって、通学の帰り道に富子という同級生にラブレター渡したっけ。
少年時代の恋は心から自然に湧き上がるもので、まさに恋だった。胸が苦しくなり、ドキドキしたものだ。
大人になってからの恋とは一線を画す感じ。
大人になってからは、何と言ってもキャバクラ嬢の未来だな。
本当に好きだった。狂おしいくらい。
今から20年前のことだ。彼女も40歳か。最後は新宿の歌舞伎町のキャバ嬢になってしまい、完全に手を離れてしまった。
当時はマジで最高に好きで夢に出るほどだった。温泉に泊りがけで行ったけど、結局、関係は結べなかった。
数年引きずり、忘れさせる女は現れないと思ってたけど、名古屋で雅子に出会った。
メンヘラ系の娘で、調子が悪いと手が付けられなかった。コジルリによく似たスレンダーな娘でだった。
彼女には間違いなく惚れた。彼女とは流石に行為はしたが、名古屋の自室で、転がり込んできた彼女を夜、夜這いした時の興奮は今でも忘れない。
普通にいいオンナといえば冬子だろう。二人でカフェに行った時、可愛い女子から、「今まで来たお客さんの中で一番きれいです」とか言われるくらいの女だった。
でも徹底的な悪女だったけど。あいつの職場の「告発」のお陰で俺のその後の人生は大きく変わってしまった(笑)。
あいつが悪意を持って大阪の俺の部屋に来て、悪意を持って出て行った時の悪い予感は忘れられない。とんでもなく不吉な予感がした。そしてそれは現実となった。
そして京子と朋子。今でも時々思い出す。どうしてるかなあ。深い深い関係になったものだ。
色んなことがあった。人は逝く時に走馬灯のように人生を振り返るという。
尊敬する大学の先輩だった上司も、珍しく自分の今まで歩みを語ってくれた後、数週間後に急逝されてしまった。
俺も先が短いのだろうか。