【プレイングマネージャーの技術編 教育シリーズ 全4回】
第2回目「仕事の教え方ステップとそのポイント」
小池浩二氏(マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)
■ステップ(1) 習う準備をさせる
新人に対して、その仕事についての位置づけ・重要性等を通して興味を持たせることがスタートです。
≪何の仕事をやるかを説明する≫
・その仕事の位置づけを説明する
・仕事内容をできるだけ詳しく話す
・その仕事と関連する仕事も話す
・専門用語を使う場合は解説する
≪仕事に関心を持たせ、覚えたい気持ちにさせる≫
・その仕事の重要性、社会性について分かりやすく話す
・その仕事ができることによって、どのようなことができるかをイメージさせる
≪その仕事について知っている知識の程度を確認≫
・自分のレベルでものを考えない
・仕事には必要な知識と技術がいることを理解させる
■ステップ(2) 仕事を説明する
その仕事の知識・技術とカン・コツ・ツボを説明していきます。
≪仕事を分解し、イメージしやすく説明する≫
・やさしい言葉でなるべく専門用語は避ける
・仕事の分解に基づいて、一つ一つの関連性や背景を判りやすく説明する……イメージさせる
・図、動画等あらかじめ準備する
≪仕事のカン・コツ・ツボを説明する≫
・だらだらした説明は必要な箇所をかえってアイマイにするので避ける
・この仕事にはこれが急所であるということをハッキリと言い、それを間違うとどうなるのかを教える(急所の理由)
≪確かめながら、教える≫
・1ステップずつ分かったかどうかを確めながら教える
・教えた内容を理解したかどうか、説明させ、確認する
≪実地でやりながら説明≫
・まず、1回は先輩が新しい人にお手本を見せる
■ステップ(3) やらせてみる
自分でなぜ、こうなるのかを理解させることがポイントになります。
≪やらせてみて、まちがいを直す≫
・一人でやらせる
・相手が分からなくなったら直ちに教えてやる
・間違ったり分からないのが当然だと思い、接すること
≪実地で仕事のカン・コツ・ツボを理解させる≫
・おもなステップを1つずつ区切って急所の理由を言わせる
・相手がつまったら、そのカン・コツ・ツボを復習させる
≪よくのみこんだかを確かめる≫
・仕事のカン・コツ・ツボ、知識・技術の内容が分かるまで続ける
・失敗は後始末まで自分でさせる
・何故、失敗したのかを確認する
■ステップ(4) 教えた後の習熟を確認する
教えるポイントを作業指導から判断業務指導に早く切り替える。
≪早く覚えるための自己学習習慣づけ≫
・説明を受けた仕事の位置づけ・重要性・カン・コツ・ツボを確認して仕事に当る習慣づけを身につけさせる
・仕事を始めるときに、必ず確認して、仕事に当たらせる
≪分からないときに聞く人を決めておく≫
・分からないときに聞く人を自分と、もう一人決めておく
・誰にでも聞かせると、間違ったことを教えるおそれがある
≪質問するように仕向ける≫
・知らない、分からないのが当然であるから聞くことは決して恥でないことを教える
・質問されやすい態度をとる
・質問されたら、違う視点から教えることで理解度が深まる
≪作業指導は減らし、判断業務指導にウエイトをおく≫
相手の理解の状態により作業指導を減らしていく
自分で判断して、その仕事ができるように、色々な状況・場面でやらせる
(第3回に続く)
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■ 小池浩二氏 (マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)
実践に基づいた「中小企業の基礎打ち屋」として、中小企業成長戦略のシステムづくりを研究。これまで500社以上の中小企業経営に関わり、経営診断、経営顧問、研修等を実践。多くの経営者から「中小企業の特性と痛みをよく理解した内容」と熱烈な支持を得ている。
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筆者 小池浩二氏が
【プレイングマネージャーの仕事術】の概論を
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