小説 古都の花陰 35 | 茶道体験教室 パート2 生徒さんとの日々のしおりとして、このブログを使わせていただきたいと思います。 

茶道体験教室 パート2 生徒さんとの日々のしおりとして、このブログを使わせていただきたいと思います。 

月に一度の体験教室でも何か人生でプラスになるものを掴んでほしいと思っています。興味ある方は日曜体験教室にご参加ください。何の用意もいりません。その人その人に合ったお茶を体験していただきたいと思います。

ベットのなか、早苗を怯えていたわけでもない。食事も進まない、この頃、神経ばかりが異常に研ぎ澄まされている。何をどうする気力もなく、頭の中では様々なことが入り乱れていた。

(さあ、もっと、神様、私をしかって下さい。もう、私は生きる価値もない。神様、どうか私を、そのみもとに導いて下さい。その怒りを、私の体に落としてください。きっと、私はその怒りの御力で、神のしもべとして天国で生まれ変わります。私は決して、御心に背きません。いま、貴方の怒りの声を聞き、感動のあまり、身も心も溶けるようです。さあ、、、早く私を迎えに来てくださいまし、、、。私をそっとその御手でお導きください、きっと、きっと。私は神のお声が、、、あァ、聞こえる、貴方の御声が聞こえます)

 早苗は、ベッドの中で十字架を握り締めて、妹の絵美子の存在にも気がつかず、じっと身動き一つしないで、神の迎えを待つような幻覚に取り付かれていた。

 絵美子は、そっとベッドに近づき、姉の手を握った。何の反応もなかった。その上、その手の異常な冷たさに、絵美子は驚いた。顔色は透き通るような青白さ。肩に手をやり、これはただ事ではないと思った。肩までの上半身、まるで死人のような冷たさ。身体が少しずつ痙攣を起こし、頬もピクピク引き攣れている。

「お姉さん、お姉さん、しっかりして、、、ねェ!」と、肩に両手を当てながら絵美子が叫んでも、何の返事もなかった。小走りに部屋を出ると、階段を駆け下り、母の綾子に知らせた。

「絵美ちゃん、落ち着きなさい。まず、病院の柳先生に電話して、様子を伝え、その指示を聞いてね。私は早苗の様子を見ているから、、、」と、綾子は言い残し、二階に駆け上がった。