小説 古都の花陰 34 | 茶道体験教室 パート2 生徒さんとの日々のしおりとして、このブログを使わせていただきたいと思います。 

茶道体験教室 パート2 生徒さんとの日々のしおりとして、このブログを使わせていただきたいと思います。 

月に一度の体験教室でも何か人生でプラスになるものを掴んでほしいと思っています。興味ある方は日曜体験教室にご参加ください。何の用意もいりません。その人その人に合ったお茶を体験していただきたいと思います。

絵美子は、庭に面したリビングルームで芝生に落ちる雨足を眺めていた。夕暮れのうっすらとした暗さを一瞬、破るようにピカーッと光り輝くものがあった。そのあと雷鳴が辺りに響き渡った。思わずキッチンにいる母の綾子に声を掛けた。

「まあ!お母様、凄い雷よ」

 それまで見ていた美術書をテーブルに投げ出すように置くと、絵美子は綾子のいるキッチンに飛び込んだ。

「まあ、何ですね。雷ぐらいで、、、」と綾子がいいおわらないうちに、また、ピカーッとあたり一面が光った。流石に綾子も、「まあァ、凄いわねェ。でも、これでもうすぐ梅雨も明けるわよ」

 綾子は、夕食の仕度を休めずに言った。

「絵美ちゃん、早苗さんの部屋に行って、お昼の食器を持ってきてね。みんな食べてくれてるといいのだけど、、、近頃は食欲もないの」

 絵美子は軽く頷くと、キッチンを出て家の中央部にある階段を上がり、姉の部屋の戸を軽くノックした。返事はなかったが、そっとドアを開けた。

「お姉さま、お昼の器、片付けにきたわ」といい、窓際のベットに眼をやると、早苗はカーテンをピッタリと閉め、ベッドで夏布団を頭からかぶるようにしていた。

 絵美子は食器だけを持って、部屋を出る気もせず、じっと姉の様子をうかがった。

 カーテンはかなりの厚みがあるにもかかわらず、雷の光を通した。その度に、早苗の体が小刻みに痙攣しているのに、絵美子は気付いた。勿論、雷の音は窓を通して伝わっている。