蛇と茶碗 | 逍遥録 -衒学城奇譚-

蛇と茶碗

何やらタイトル、文学的だなぁとのほほ~んと考えてる発掘屋さんです。


ちょうど今、タケノコご飯を喰べとるんですが、ふと茶碗を見たら、かすかにヒビが入っていました。

あぁ、さっきのちょっとにぶい音はコレだったんだなぁ……と思いいたったものです。

実はこの茶碗、ちょっとした憶い出ありまして。


ちょうど1年ぐらい前、朝眼がさめてみたら、座敷に何やら、うんにゃらうんにゃらしたモノが、のほほ~んと転がってまして。

よくよく観てみたら、まだ冬眠途中の蛇。

からまった状態でかたまったまま、座敷でぴくりともしません。

おそらく家の猫がつかまえてきたのでしょう。

そこで茶碗にすくって外にポイッとしたのです。

んでも小十郎君、そのコト鮮明に憶えてまして、その茶碗見るたびに「蛇の茶碗、蛇の茶碗」と嫌がって、決して使おうとはしませんでした。


その茶碗が今、自分の手元にあるのですが、もうヒビが入ってしまい、おそらく近いうちにサヨナラでしょう。

自分の手元からいろんなモノが消えて、そしてまた新しくやってくる。

その時幼稚園だった小十郎はもう小学生。

父がかたまった蛇を茶碗にすくってポイしたコト、いつまで記憶してますかねぇ?

別にそんだけのハナシですがね。

ま、そんだけのハナシさね。


ちなみにタケノコご飯のタケノコは、裏庭でとれたモノ。

今年はえらい豊作で、アチコチにずいぶん配りましたが、まだでっかいナベいっぱいにあります。

春の味です。