風のはなしⅠ
梅雨が明けました
窓を開けるとさわやかな風が吹き心地よいお日様が…
待ち焦がれていたはずの晴天を 数日のうちに煩わしく感じてしまう今日この頃
空が白んでくるとシャッターを下ろした窓ガラス越しにも暑さがや熱気が感じられ
早めに起き空気が落ち着いた静かな朝を ゆっくりとコーヒーとともに…
コーヒーメーカーをセットし新聞を取りに出るとその途端
ジリジリジリミーミージージーなどの音に襲われる
向かいのお屋敷の鬱蒼とした木々の枝には遠目にも見える蝉 蝉 蝉
長い梅雨に出番がなく我慢してきたことのうっぷんを一気に晴らしているようです
今日は風について少し書かせて頂きます
整体では風をあまり好意的には見ていません
あえて言うとなるべく避けるほうが安全だと考えています
近頃は冷やすことは身体に良くないことが広く理解されてきました とても良いことです
ところが冷やさないようにする為に エアコンを止めて夜間窓を開けて寝るとか扇風機を回して風を受けながら寝るといったこともよく伺います
二宮先生は整体を受けに来た方が夜窓をかけて寝ていると聞くと「それは自殺行為です 直ぐに止めなさい」と大きな声で叱っておられました
窓を開け夜風を受けると 熱帯夜であっても昼夜の気温差で身体を冷やしますその上コントロールの利かない自然の風を受けることで下がる体温を維持するためその調整作用を司る自律神経も疲労しまいます
極端に低く設定した空調や室温が冷やすのではなく温度を維持するために空調が発生する風の流れが 体表の水分(汗)を気化させることで体温の低下がおこります
水分(汗)が気化するとき奪われる熱量の計算をすると 体重60kgの人が体表に約1g(1ml)の汗をかきそれが気化する際には約0.1℃体温低下をおこすそうです
たった0.1℃程度かと思いますが体温36.5℃の人が37℃になると微熱です37.5℃は発熱です
体温の1℃は身体にとって大変な変化です
10gの汗を体表で気化させると1℃下がると言いうと涼しくて良いという方がいますがこれを続けると体調管理のために身体は疲労し悪くすると低体温症を引き起こします
実際出かけるときに室内犬が暑いだろうとケージに扇風機をかけて出かけ帰宅すると犬がぐったりしたり 死んでいたことも新聞等でも報道されています エアコンをかけるだけでは起こらない事故なのです
目覚めたときタオルケットや着ていたTシャツ 子供のパジャマは濡れて結構重いと感じます
一般的には睡眠時大人で最低でもコップ一杯分(200ml)の汗をかくと言われています
熱帯夜の場合300mlから600mlくらいと個人差はありますが 通常この汗は寝具やパジャマ等に吸収され気化する割合は少なくなります
ところが扇風機をかけると極端に気化熱の量は増え仮に50g(50ml)の汗が気化したとしても体温は5度奪われる計算になります
もちろん身体は生きている限り自己調整機能が働き身体を維持するので 体温が5℃が下がることはありませんが身体のエネルギーの消耗は少なくありません
扇風機 お店のエアーカーテン 頭上から降りてくる空調の風 涼しくて気持ちがいい その瞬間は
風邪の奪う熱には十分にお気をつけ下さい