今日、訪問したおうちでのこと。
4人目にして、女の子が生まれました。
上の3人の男の子たち(12歳・10歳・8歳)も、妹の誕生をほんとに喜んでて、
何かと理由をつけては、お母さんと赤ちゃんが休んでいる部屋をのぞきにきます。
可愛いおにいちゃんたちです・・・。
お母さん、8年ぶりの妊娠・出産だったのですが、
これまでの超安産と打って変わって、
2日がかりのお産でした。
微弱陣痛で、
最後は陣痛もなくなり、胎児心拍が落ちてきて、
クリステレルの圧出法(お腹の上から胎児のお尻を押して急いで赤ちゃんを出す)という、
古典的な方法での急遂分娩になりました。
4回目なのになんで?
とお母さんにとってはすごいショックだったようです。
統計的には、4回目以降のお産というのは難産の要因になります。子宮も筋肉ですから、何回も使ってると、伸縮性が落ちるんでしょうね。
仮死状態になった赤ちゃんは、子宮の中で肛門が緩み、胎便が出て、それを飲んでいたので、
経過観察のために、2日間入院しました。
幸いなことに、赤ちゃんはすっごい元気で、ちゃんとおっぱいも飲めてます。
今日(生後3日目)は検温中にものすごい量のウンチをして、胎便が、一挙に黄色がかった母乳便になりました。お母さんのおっぱいが十分に出ている、という証拠でもあります。
お母さんの体の回復もまずまずです。
3人の男の子の母として、ゆっくり休んでいるヒマがないので、ちょっとハラハラすることもありますが、
状況は変えられませんから、そのなかで、少しでもスムーズに日常の生活に戻れるように、というのが
今回の私のケアの目標です。
今日の午後、助産師が家庭訪問に来ました。
3人目の男の子を取り上げた人です。
4人目の今回も、この助産師の所属するプラくタイクで妊婦健診を受けていました。
お母さんは、久しぶりに会う彼女と話しているうちに、感情がたかまったのでしょう、
泣き出してしまいました。
今回のお産が、それほどこのお母さんにとってショックだった、とは気づかなかったわたしは、
『えっ
』と動揺したのですが、
助産師は、顔色も変えず、座ったまま、何も言いません。
お母さんを見つめているだけです。
わたしは、二人から離れた入り口に立って、話を聞いていたのですが、
もしそばにいたら、すぐにお母さんの手を握ったでしょう。
泣きたかったお母さんは、それをきっかけに、声を上げて泣いたかもしれません。
でも、このオランダの助産師の姿勢には、それを許さないものがありました。
『あぁ、これなんだ・・・』とわたしは、妙に納得しました。
いつも思っていたこと。
オランダの助産師って、冷たい、って。
自分がここで十数年前にお産をした時にも感じたことです。
日本の助産師とずいぶん違うって。
でも、今日はちょっと違うことを感じたのです。
これがヨーロッパなんだ、と。
話は聞きます。
あなたがこの問題を解決するために、話を聞いてもらう相手が必要なら、
その準備はあります。
でも、自分の感情を、思いを、深く見つめて、それを乗り越える道を見つけるのはあなたです。
その場の感情に流されて、感傷的な、一時的な満足感に浸るための手伝いはしません。
そんな姿勢を感じたのです。
この助産師、仕事の場でよく出会うので、人柄はわかっています。
とても温かく、人情家で、お産をする女性を第一に考える人です。
気さくな人で、時間があれば、ヘルパーの仕事も手伝うような人です。
先天性異常検査で、赤ちゃんから採血するときも、赤ちゃんが泣かなくて済むように、
時間をかけて丁寧に仕事をする人です。
その彼女の、この厳しい態度、
これが文化の違いなんだ、と、また目が開けたような気がしました。
これは、相手に対するリスペクトなんですね。
大人同士の関わりあい方、つまり、言葉のやり取りを通して理解し、共感しあう。
なんか、すごいものを見ちゃった気がします・・・。
お母さんは、すぐに涙を引っ込めて、話を続けました。
これもすごいなぁ・・・・。
私は、こういう社会で暮らしてるんだ、と改めて肝に銘じました。
泣くことで、気持ちを落ち着かせるホルモンが分泌されて、
気持ちを一新できるのも本当です。
わたしは、だから、泣くことは大事だと思っています。
日本流の、水に流す、とか、きれいさっぱり忘れる、とかいう解決の仕方もすごく好きです。
でも、ここには、違う文化があるんですよね。
すぐに、わかったわかった、といわないで、何で?どうして?と分析してゆく。
そういうところで私は生活して、仕事してるんだ・・・・・。
また学ばせていただきました・・・・・・・・・。