福島原発事故。一日も早く収束して復興に邁進していけるようにと願いします。

いつもお世話になっているJESの本井社長より、原発の工事現場で働いていた方が書いた下記サイトを教えていただきました。身近な例もあり、その通りだろうなと感じた次第です。

「原発がどんなものか知ってほしい」
 http://www.iam-t.jp/HIRAI/pageall.html#page1ichiri@maido.zaq.jp

 私の知人にビル工事などを施工する建設会社があります。建築不況のご時世で、やはり経営的には厳しそうですが、そこでは30年、40年前にいたようないわゆる職人はほとんど見られなくなったそうです。職人はもう高齢で引退し、今はほとんど素人に近いような人が多いようです。当然、昔と比べると作業効率もガタ落ちです。
 外で一日過酷な作業をしても、冷暖房の効いているコンビニでのアルバイト料と同程度の収入ですから、若い人は誰もなり手はいません・・・。作業員の平均年齢も上がるばかりだそうです。

 またある市の公共土木工事をメインにしている会社勤務の友人がいます。
この数年は請負単価が安いので、下水工事をはじめ本当に最低限の工事しかできないと言っておりました。手抜きはしないが、キチンと工事をしているととても採算がとれないのだそうです。
だから、検査さえ通ればいい。数年先は道路の下の配管がどうなるかわからないと・・・。(まじめな友人だけに、悲しい現実です)。

でも公共工事はまだマシだと・・・民間では請負単価が安いので、もっとひどいそうです。経営努力が大切なことは誰もがわかっているでしょうが、特別に才能やアイデアのある経営者でない限り、大部分はすでに無力感が漂っています。


 私自身も約10年前に、とある大手ゼネコン関連の住宅メーカーで自宅を建築しました。地震に強いと云われる2×4の家ですが、現場で既成のパネルを組み合わせる方法と大工さんが来てコンパネなどで作っていく方法との選択ができました。
 ある時、設計の方がポロッと漏らした本音は、関東ではすでに大工さんの腕が落ちてきて、現場での施工ができない状況になってきている。腕のいい大工さんを確保できない。だから工場であらかじめパネルを作って組み立てると言っていました。関西ではまだ比較的保たれていますと・・・。それが10年以上前の話です。

 この10年、20年の不況やら政策転換で、巷から腕のいい職人が消えつつあります。日本の物作りに赤信号が点灯し始めているような気がします。もう少しブルーカラーを大切にする世論に戻った方が、日本の潜在能力を生かせることになるのではと以前から思ってます。


 個人のサイフや家庭では、無駄を省けばお金は他に有効に回せますが、マクロ経済となるとそう単純ではありません。無駄を省かれた産業やその人たちが消費していたサービスや物品は売れなくなりお金が回らなくなります。マクロ経済では、お金が循環することが、だれもが受益を受けることになります。目先の利益を求め過ぎると、結局は回りまわって自分たちに戻ってきてしまいます。


「無駄の削減」という意味合いは、ダメなものは切るというネガティブな発想に基づいている気がします。「より効率を上げる方法」とか、ポジティブな動機に基づいた行動に変えた方がみんながうまくいくのにと思います。


奪い合う時代」から「分かち合う時代へ」。被災地の方々の気持ちは、みなさんそうだと思います。神戸でも震災時はそうでした。一人でも二人でも、そう思える人が増えて欲しいです。