私自身もその昔、整体やカイロプラクティックで脊椎や骨盤の矯正を行っていたのですが、その歪みを判定する基準は一体どこにあるのでしょうか?

 X線写真で判定する。触診や視診で判定する。圧痛点で判定する。モーションパルペーションや関節可動域で判定する。測定機器で判定する。キネシオロジーやOリングなどの筋力テストで判定する・・・この位でしょうか。

 よく言われるのが左右の足の長さの長短。「左足が1cm短いですね!」。
はい、確かに頸椎や骨盤の歪みによって見かけ上の左右の長短が出ます。

 では、長くなった右足と短くなった左足。どちらが正常でどちらが悪いのですか?

実は、この単純な問いに明確に答えられる整体師はいません。テクニックのマニュアルでは、ある程度判定する方法はありますが、すべての人に当てはまる訳ではありません。経験上で判断している場合も多いかと思います。


 ここで、あなたが大工さんになったと思ってください。家の骨組みに2本の凹凸の柱があります。どちらを調整しますか?

 そうですね。他の骨組みを見て、どちらがどうズレているのかを判断して、凸ているものなら打ち込み、凹んでいるものなら引っ張りだしますね。それは何らかの間違いのない基準があるから修正可能な訳です。水平垂直という絶対基準がわかるから、判断が可能なのですね。


 人体の場合、この絶対的な基準は誰にも判断できません。短くなった左足を1cm伸ばせばいいのか、長くなった右足を1cm短くすればいいのか? はたまた、左右を5mmずつ長短させればいいのか? 1mmと9mmか2mmと8mmか・・・と考えていくと、キリがありません。その曖昧な基準の中で矯正が行われているのです。まして生体である体は日々刻々と環境や体調などにより基準値は微妙に変化し続けいています。

 筋力テストで判定しても構わないのですが、筋力テストというのは絶対値ではありません。あくまでも相対値としての回答です。その瞬間の回答です。状況が変われば導き出される回答も変化してしまいますから、参考程度にしかなりません。

 では、なぜ矯正してうまくいくのか? それは矯正という刺激を人体に与えたことによって反発する力、反作用の法則で ”偶然” 人体が元に修正したにすぎません。大工さんと違って、非常に曖昧な基準で調整していたのです。

 人体の絶対的な基準値は誰にもわかりません。もちろん私にもわかりません(笑)
 唯一知っている存在、それが自分自身の細胞です。脳は自分の体すべての設計図と機能コントロールのシステムを運用しています。その脳に仕事をさせればいいのです。


 BSセラピーによって脳幹からエネルギーが開放され始めると、体自らが自分で調整を始めてくれます。これが絶対基準に則った間違いのない安全な「整体」になります。そして治療後、ピタリと中心軸が地球の中心に向かって一致するのです。
                                   (続く)