整備記録:草刈機の燃料タンク修理 | 勢州たぬき工房の木工したり直したり

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2018年に小さな工房を自分で建てました。
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こんばんは。たぬきです。

オーレックのスパイダーモアSP50という、20年落ちの手押し式草刈機を使っております。

5年ほど前に頂きまして、修理しながら使っております。新品買ったら20万円コースなので、今後も修理しながら使っていきたいですね。

 

で、このSP50の燃料タンクから燃料漏れが発生しました。この辺りから漏れてますが、良く分かりません。

 

タンクを外しましょう。

あ、ヒビが入ってます。

写真中央の下に 「  (  」こんな形でヒビが入ってますね。ここから漏れた様です。

 

作戦その1

これ以上ヒビが進まない様にクラックストップホールを開け、溶接する為に開先を取ります。

この後、ホットブローで炙って溶接しましたが、うまくいきません。表面を加熱しても粘着性が出ず、樹脂(ポリエチレン 以下PEと表記)同士がくっつきません。表面が劣化してるかもと思い、表面を削りましたが結果は同じでした。

 

白色のホットメルトを溶かして塞いでみましたが、すぐに取れてしまいます。

困ったな。

 

 

作戦その2

PEも接着できる接着剤を用意しました。ホットメルトも足りなくなったので1箱買ってきました。

 

接着剤で穴を塞ぎます。

 

接着剤の膜だけでは弱いので、ホットメルトで補修部を覆います。

まずは半田鏝で接着剤の外周を溶かしながら擦って表面の膜を壊します。

次に、外周にホットメルトを乗せ、半田鏝でPEとホットメルトを練ります。

こうすることでホットメルトがPEに接着する足掛かりを作る訳です。

 

次に全体をホットメルトで覆ってからホットブローで加熱し、接着剤と馴染ませます。

 

穴が塞がれました。

 

燃料を入れても漏れません。

 

ところが1日経った頃。

補修箇所がボロボロになっていて混合ガソリンが漏れてます。

なんてこったい。

 

タンクを外して補修個所を見てみる。

接着剤は膨潤してるし、ホットメルトはボロボロになってます。

どちらも耐ガソリン性が有りませんでした。 失敗です。

さて、どうしたものか。

 

作戦その3

新品のタンクに交換する・・・なんて事は意地でもやりたくない。

今回は耐ガソリン性重視で直してみましょう。

 

鉄板を切出してきました。

 

試しにパッチを作ってみます。

 

なんかイケるかも。

 

内側用のパッチも作ります。

 

内側のパッチを入れてみます。イケそうやん。

 

液体ガスケットを塗布します。

 

外側のパッチをかぶせてからネジで締め付けます。

パッチとタンクの隙間には指で液体ガスケットを摺り込みます。

液体ガスケットを塗りまくりはカッコ悪いね。素人くさいというか、センスがないというか。

ほら、車のオイル交換でドレンボルトをナメてしまったとき、悪質なショップがこんな風にドレンボルトを液体ガスケットで塗り固めたりするよね。そんなイメージもあって、こんな使い方はすごく抵抗がある。

だけど、パッチとても完全に密着してる訳じゃないし、PEと液体ガスケットの馴染みにも不安があります。

今回は恥を忍んで塗り塗りで進めます。

 

組付けて混合ガソリンを給油します。

今度こそは漏れないで欲しいね。

 

以上たぬきでした。ではでは。