こんばんは。たぬきです。
タービンOHの続きを。
分解が終わったので清掃を実施します。
各パーツをパーツクリーナーやエンジンコンディショナーを吹いて、カーボンやスラッジを取り除きます。地道に根気よく行いました。
これは、オイルラインのタービン側バンジョーボルト。清掃している時に気づいたのですが形状が特殊です。手前を向いている穴がオイル通路ですが、この穴が小さいのと、1つしか開いていないのが特殊なんです。
通常のバンジョーボルトはもっと大きい穴が2つ開いています。このオイルラインもエンジン側は2つ穴のバンジョーボルトでした。つまり、タービン側のバンジョーボルトはオリフィスになっているのですね。油量と油圧をここで下げているわけです。
では、外した部品を組みつけましょう。
最初は、フローティングベアリングの間隔を決めているスペーサーを入れます。本体をバーナーで炙ります。勘で70℃位にしたら軽い力で打込みます。時々フローティングベアリングを入れて位置を確認しつつ、丁度良い位置となるまで調整します。
ここで疑問が。
フローティングベアリングの上には、この写真のスラストベアリングの内側に写っている、鍔付カラーが乗ります。先のスペーサーの位置によって、この鍔付カラーの摺動面が、フローティングベアリングとなるか、本体となるかが変わります。摺動面はどちらにするのが正しいか分からなくなりました。こう言うとき、マニュアルがないのがつらいですね。
困ったので、鍔付カラーを顕微鏡で観察します。どちらで摺動させるのが正しいか確認しましょう。
これは内側。フローティングベアリングの端面と摺動させるならここに擦れた痕があるはずです。摺動痕がありますね。こちらが正解の様です。
こっちは外側。本体と摺動するならこちら側に摺動痕があるはず。摺動痕はありません。細かい筋は製造時の切削痕です。
これで、スペーサーの正規の位置が決まりました。
0.1㎜ずれると、この位置関係が狂います。
気づいて良かった💦
ここで、タービンホイール側とコンプレッサーインペラ側のシールを交換しておきましょう。
これが、コンプレッサーインペラ側のシール。
ピストンリング状の物が弾性でプレートに張り付きます。カラーはコンプレッサーインペラと一緒に回転します。
この組み合わせがラビリンスシールの様になって、オイルを密封しています。このピストンリング状の物を新品に交換しました。
こちらはタービンホイール側。
同様にリングを新品交換しました。
スラストベアリングを取り付けます。
外周部右上の三日月穴にオイルを圧送します。
ここと、ベアリングの油孔が繋がっており、油膜を作る仕組みです。
組み付け時には油をほんの少しつけてから組みます。
新品のボルトで組み付けます。こちら側にも油をつけておきます。
カラーを乗せ、カバーを取り付けます。
液体ガスケットを塗布して
プレートをセットしようとしますが、プレートが正しく嵌まりません。
無理に取り付けようとすると、カラーが回りません。
明らかにおかしいです。
原因は交換したリングでした。これが0.1㎜位大きすぎました。
なので、リングがプレート内に収まらず、取りつきませんでした。
リングの不良だったのか?品番が適合してなかったのか?
良く分かりません。0.1㎜違いのサイズがあるとも思えず、不良品
の様な気がしますね。
結局、リングを旧に戻しました。これで、組めました。
うわー、プレートを外そうとした時につけた傷が目立ちますね。
素人はこれだから・・・
恥ずかしい。
排気側のフローティングベアリングも入れましょう。
ベアリングを挿入したら、ファスナーを挿入して固定します。
コンプレッサーインペラを取り付けて、新品のナットで固定します。
液体ガスケットを塗布したら、ハウジングを取り付けます。
タービン側のハウジングも炙ってから嵌合します。
Gリングで締め付けます。
オイルドレンの口金を外し、本体内部を清掃します。これが最後の清掃です。
ドレンホースを同じ長さに切ります。
ちな、このホース3,000円以上しました!!!
年々価格改定で高額になるのは仕方ないけどね、にしても高すぎやしませんか? 修さん。
ドレンホースを取り付けました。
と言ったところで今日はここまでです。
次回は、車両に組み付けます。
以上、たぬきでした。ではでは。