少し昔の阪急電車(その8、8000系・8200系) | 青春の1ページ航空機等撮影記録~since2019 New Edition~

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今年もこれから暑い時期になる・・・

週の真ん中ですが、今日と明日は休みをいただいております。緊急事態宣言の影響で出勤抑制をかけるため、通常の年休とは別に月に1回休むように指示が出ており、当初は先週に休みを入れる予定だったのですが、会議が入ってしまい休めなくなってしまったので、今週に回したことで水・木が連休という形になりました。来月以降はこの月1回の休みがどうなるかはわかりませんが、貴重な平日連休ですので、2日間しっかりリフレッシュして金曜日の仕事に備えたいと思います。

 

さて、本日は約1か月ぶりに「少し昔の阪急電車」シリーズの記事となります。1月から続けてきたこのシリーズもようやく区切りが見えてきまして、ひとまずはあと2回の記事を予定していますが、今回からは8000系列の紹介となります。

 

8000系8001F

1989.3.26 西宮北口駅

 

今津北線で運用される、デビュー間もない時期に撮影した8001Fです。8000系は、阪急で初の量産VVVFインバータ制御車両として、1988年から1997年までの間に98両が製造されました。1987年の会社創立80周年及び1990年の営業開始80周年を迎えるにあたり、21世紀にふさわしい車両をということで設計され、車体寸法は7000系に準じていますが、前面デザインが大幅に変更され、縁が一段飛び出した「額縁スタイル」となり、前面窓を上方に延長して種別・行先表示幕と一体化させたほか、各種灯具の角型化、貫通扉・乗務員室仕切り扉の窓の下方への拡大が行われました。また前面には飾り帯が設置されました(1991年製の8006Fからはこの帯は設置されず、既存の設置車両もその後撤去)。外部塗装は6300系と同じ屋根肩部へのアイボリー塗り分け塗装が採用され、この塗り分け塗装はその後の標準となったほか、6000・7000・7300の各系列にも波及しました(5000系のリニューアル時にも採用されています)。車内はマホガニーの木目化粧板が従来よりやや濃い色調に変更されたほか、各車に車いすスペースが1か所設けられました。また側窓が上方に拡大され、乗降扉に隣接する窓はパワーウインドウが採用されスイッチによる自動開閉ができるようになり、その他の窓は固定窓とされました。電気機器は前述のとおりVVVFインバータ制御が採用され、主電動機出力は170kWに向上されました。運転台の速度計・圧力計はデジタル表示となり、車両状態を監視するモニター装置が導入されています。ブレーキ装置は電気指令式で、6000系や7000系との併結も可能です。また、1989年から1992年までに製造された8002F~8007Fの6編成は、神戸・宝塚寄りの2両が扉間転換クロスシートとなっています。なお、増備の過程で前面形状は何度か変更されており、前述した飾り帯の撤去のほか、1993年製の8033Fからは前面を「く」の字に傾斜させ、車番を車掌台寄りに移動させたものとなり、1997年製の8040Fからは後述する8200系と同じデザインとなったほか、性能も8200系と同じとなっており、パンタグラフはシングルアーム式を搭載しています(このグループは「8040形」と区別される場合もあります)。2012年から8001Fを使用したPMSM方式の制御装置の試験が行われ、1000系と7000系リニューアル車で本採用となった後、2016年以降は本系列でも制御装置の更新が行われています(8連は8003Fと8020Fを除き施工済み。2連は後述のリニューアル工事を受けた8042Fのみ施工)。また、製造後30年が経過したことから2020年からはリニューアル工事が行われており、床下機器の更新(制御装置交換)、車内化粧板の交換、LCD情報案内装置の取り付け、クロスシート車両のロングシートへの変更などが実施されています(ただし、7000系のリニューアルとは異なり天井の冷房吹出口と荷物棚は交換されていません)。

2023年12月現在では全車が在籍し、次のとおり運用されています。

神戸線:8連6本、2連5本の計58両が在籍。8連は神戸本線の各種別に広く運用されています。2連は8031Fが7007F、8033Fが7002Fの各8連と組んで10連固定を組成し平日朝の通勤特急運用に充当され、残る8032F・8035F・8042Fは7000系の6連と組んで8連を組成して運用されています(これらは10連固定の予備も兼ねています)。

宝塚線:8連4本、2+2の4連2本の計40両が在籍。8連は宝塚本線の各種別に広く運用され、「日生エクスプレス」の運用で能勢電鉄にも入線することがあります。4連は8030F+8034Fが箕面線で運用され、8040F+8041Fが7024Fの4連と組んで8連を組成して主に平日に運用されています(なお、8040F+8041Fは箕面線の予備編成となっています)。

 

この8001Fは1989年に製造され、当初は6連で登場し、神戸線の須磨浦公園直通運用や今津北線で運用されましたが、同年中に中間車2両を製造の上8連化され、その後はもっぱら神戸線で運用されています。2012年に前述したとおりPMSM方式の制御装置が8001と8601に搭載され長期試験運用後、2016年には残る8101と8501も同様の機器に変更されています。

 

(左)8000系8002F (右)8000系8000F

1995.3.9 御影駅

 

阪神・淡路大震災後、御影~王子公園間の区間運用に充当されていた8002Fと留置中の8000Fです。この震災では神戸線が大きく被災し、運行可能な区間から順次運転を再開したのですが、最初に運転を再開したのが御影~王子公園間でした。運転再開に当たっては、点検保守の容易な8000系が選ばれ、8000F・8002F・8006Fの3編成が搬入されています。左の8002Fは1989年に製造され、運行開始から一貫して神戸線で運用されています。前述したとおり、この編成から神宝寄りの2両がセミクロスシートとして登場しており、2023年現在も全編成がそのまま運用されています。2018年には制御装置が1000系と同じPMSM制御のものに交換されています。また、2020年11月には8000Fに代わって「Classic 8000」編成に抜擢され、登場当初の姿に復元されて運用されています。右の8000Fは1988年に製造されたトップナンバー編成で、当初は宝塚線で運用されていましたが、現在は神戸線で運用されています。2019年に運行開始30周年を記念して、「Classic 8000」として、登場当初の姿(前面飾り帯付き、側面にHマークと旧社章を取り付け)に復元されて運用されました。2021年にリニューアル工事が施工され(なお、入場直前の2020年11月に踏切事故に遭い車体を損傷し運用を離脱していました)、さらに2021年10月からは「Memorial 8000」として、前面運転台下・乗務員室後方へのHマーク掲出や記念プレート掲出などが行われています。

 

8000系8005F

1994.1.28 石橋(現:石橋阪大前)駅

 

宝塚線の急行運用に就く、登場当初の飾り帯付きスタイルの8005Fです。この編成は1990年に製造され、登場以降一貫して宝塚線で運用されています。2017年には制御装置が1000系と同じPMSM制御のものに交換されています。

 

(左)8000系8006F (右)8000系8000F

1995.3.9 御影駅

 

8000系8006F

(上)1997年頃 岡本~御影間 (下)1998年頃 梅田(現:大阪梅田)駅

 

8006Fは神戸線と宝塚線の両方で運用される姿を撮影していました。この8006Fは1991年に製造され、前述したように当初から前面飾り帯がない状態で登場しています。当初は神戸線で運用されましたが、1998年頃に宝塚線に転属し、その後は宝塚線で運用されています。2022年にリニューアル工事が施工され、その際に宝塚方2両の車内がロングシートに変更されています。

 

8000系8007F

1999年頃 川西能勢口駅

 

特急「日生エクスプレス」の運用に充当される8007Fです。この8007Fは1992年に登場した編成で、この編成までが神宝方2両が転換クロスシート装備となっていました。登場以降一貫して宝塚線で運用されています。2022年にリニューアル工事が施工され、その際に宝塚方2両の車内がロングシートに変更されています。なお、特急「日生エクスプレス」には、能勢電鉄直通対応となっている編成が充当されますが、2023年現在は宝塚線所属の8000系8連と1000系全編成が能勢電対応編成となっています(このほか、能勢電鉄所属の6000系6002Fも直通対応となっていますが、現在は使用されません)。

 

8000系8008F

(上)1993.8.1 十三~中津間 (下)1997年5月 正雀~相川間

 

神戸線の特急運用と、「阪急レールウェイフェスティバル」参加者向けの貸切列車として運用中の8008Fです。この8008Fは1992年に登場し、登場以降一貫して神戸線で運用されています。この編成から神宝寄りの2両はロングシートに戻っています。1995年頃にはパンタグラフがシングルアーム式に交換され(8040形を除き唯一の存在です)、また2020年にはリニューアル工事が施工されています。

 

8200系8200F・8201F

2枚とも1995.8.26 西宮車庫

 

2800系さよなら運転の際に西宮車庫で展示されていた8200系2編成の姿です。8200系は平日ラッシュ時の座席収納車として1995年に2連2本の4両が製造されました。朝ラッシュ時に座席を収納して運用されることから、側窓の大型化や荷物棚高さの変更が行われたほか、乗降扉の幅も従来より広くなっています。前面デザインは8000系8033F以降のデザインを基本としつつ、車両番号を前面窓内側に表示し、併せて電照式としています。また、側面の種別・行先表示器はLED式となりました。車内のロングシートは折りたたみ式を採用し、運転台からの操作で開閉が可能な構造となっていました。また、LED式の情報案内装置と液晶ディスプレイを設置しており、FM大阪のニュース(見えるラジオ)、天気予報、沿線案内を表示できるようになっていました。空調装置は10,500kcal/hのものを4基搭載し、クーラーキセは連続化されたものとなりました。制御機器は8000系と同じVVVFインバータ制御を採用していますが、制御方式が1C1M方式のものとなったほか、主電動機は200kWのものを3基搭載しています。また台車はボルスタレス式のものとなったほか、集電装置は阪急初となるシングルアーム式パンタグラフが採用されています。当初から一貫して神戸線の増結運用に充当されており、当初は平日朝の通勤急行に座席収納状態で、夕方の特急に座席使用状態で運用されました。その後夕方の運用はなくなり、さらに2007年には座席収納車両の運用がなくなったことから9000系に準じた車内に改装されました(その後2015年に液晶ディスプレイが撤去されました)。その後は平日朝の10連運用の増結車として8000系8033Fとともに運用されたほか、まれに乗務員訓練用として伊丹線や今津(南)線に入線することもありました。2022年12月のダイヤ改正後は10連が平日朝の通勤特急用の固定運用のみとなったため、そちらへ転用され、現在は8200Fが7009F、8201Fが7008Fとそれぞれ組成され運用されています。