コロナ禍の影響で退役した機体たち(その3) | 青春の1ページ航空機等撮影記録~since2019 New Edition~

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今年もこれから暑い時期になる・・・

いよいよスタートしたGWですが、初日は朝から雨模様。全体的にこのGW期間中は天気が良くないようで、雲が多かったりにわか雨があったりという予報の日が多そうです。一番すっきり晴れそうなのは明日という状況ですが、そんな日に限って出勤日というのはね・・・。

 

さて、本日はコロナ禍の影響による退役機紹介の続きです。今回の記事で3回目となるこのシリーズですが、ANAの機体で今も退役機が出ている現状にありますので、しばらくは不定期で続くことになりそうですが、果たしてどこまで続くことになるのでしょう?

 

AIR DO B767-300ER(JA98AD)

(上)2016.8.10 羽田空港 (下)2019.3.2 羽田空港

 

AIR DOでは、運航開始初期に導入された767が2機とも2020年度中に退役しました。この「JA98AD」は1998年の同社の運航開始と同時に導入された機体で、長らく羽田~新千歳線を中心に北海道各地への路線に充当されました。当初はリース機として導入されましたが、2013年2月に購入の上、自社保有機へと変更しています。新塗装化が施行されたほか、旭川空港50周年記念や「元気です北海道」などのマーキング機としても使用されました。当初は数年後まで運航する予定でしたが、コロナ禍の影響による需要減退で退役時期が前倒しされ、2021年1月に退役しました。

 

エアアジア・ジャパン A320-200(JA01DJ)

2017.11.3 中部国際空港

 

エアアジア・ジャパン A320-200(JA03DJ)

2020.2.23 中部国際空港

 

2020年10月に運航停止となったエアアジア・ジャパンに残っていた2機のA320も2021年1月にそろって退役となりました。初号機である「JA01DJ」は運航開始に備え2015年10月に、3号機の「JA03DJ」は同社唯一の増備機として2019年に導入された機体で、後者はエアバス社の「スペース・フレックス」を導入して座席定員数の増加が図られました。セントレアを拠点に同社の国内・国際線で運航されていましたが、その1の記事でも触れたようにコロナの影響による需要減の影響を受けて経営が悪化し運航停止に追い込まれ(その後破産手続きを開始)、この2機も2021年1月にクアラルンプールにフェリーされ退役となりました。なお、経年が浅い機体のため、今後はエアアジアグループの他社で第二の活躍をすると思われます。

 

全日空 B777-200(JA711A)

2017.3.11 福岡空港

 

2021年1月に退役したANAの機体の中には、先に退役した「JA712A」とともに、772のスタアラ塗装機であった「JA711A」が含まれていました。この機体は2004年6月に導入され、羽田発着の各幹線を中心に国内線で幅広く運航されました。Wi-Fi改修も実施されていましたが、先に退役した「JA712A」と同様に機内改修が未実施であったことから、早期に退役という形になったと思われます。

 

全日空 B777-300(JA756A)

2019.7.28 伊丹空港

 

その2でも触れていますが、今回のコロナ禍による需要減退の影響は773や77Wなどの長胴機にも及び、773の第1号として「JA756A」が2021年1月に退役となりました。この機体は2003年5月に導入され、主に羽田発着の幹線(特に新千歳線と那覇線)で運航されました。こちらもWi-Fi改修が施され、またシートの交換等の内装改修も実施されましたが、2021年1月に上の「JA98AD」「JA712A」と同時にフェリーされ、退役となりました。

 

全日空(エアージャパン) B767-300ER(JA606A)

(上)2013.4.28 伊丹空港 (下)2018.4.12 伊丹空港

 

2021年2月に入ると、国際線から国内線に転用された、比較的経年の浅い767の退役も始まり、まずその第1号として「JA606A」が退役となりました。この機体は2002年7月に導入され、当初は近・中距離国際線用として中国・東南アジア・ハワイ路線などで運航されました。2015年に国内線転用改造を受け、その後は羽田発着の各路線を中心に運航されました。そして、この機体を語る上で外せないのが、日中国交正常化35周年と中国線就航20周年を記念して2007年に施された「FLY!パンダ」塗装。機体全体にパンダをデザインした白黒の塗装が施され、注目の的となっていました。このパンダ塗装は2014年12月まで約7年半の間継続され、国内線転用時に通常塗装に戻されています。その2でも触れていますが、コロナの影響に伴う事業構造改革に伴い767の退役数が1機から5機に変更されたことに伴い、国内線転用機からも退役機が生じることととなり、この機体は2021年2月に退役となりました。

 

全日空 B737-700(JA18AN)

2012.3.10 関西国際空港

 

「JA18AN」は2008年4月にANAの737‐700の最終号機として導入され、国内線と国際線の両方で運航されました。多くの‐700がAIR DOに移籍していく中でこの機体は最後までANA本体に残って運航されましたが、コロナの影響に伴う需要減退に加え、前述の事業構造改革において保有全機の退役が明言されたことから、2021年2月に上の「JA606A」と同時に退役となりました。この画像は今から9年前の2012年に撮影したものですが、当時の関空からは-700による国際線の運用が多く存在し、よく姿を見かけたものでした。現在は羽田発着の地方路線を中心に運航される3機が残るのみとなっており、これらも2021年6月に全機退役することとなっています。

 

全日空 B777-300(JA757A)

2017.5.2 羽田空港

 

2021年2月にもANAの773と77Wに退役機が出ています。この「JA757A」は、2003年5月に同社の773としては最終導入機として登場したもので、上で掲載した「JA756A」と同様に、羽田発着の国内幹線を中心に運航されました。2017年には「心ひとつに‼行こう2020」のロゴを付けた東京オリンピックPR機となりましたが、この姿のまま2021年2月に離日し、退役となりました。

 

全日空 B777-300ER(JA734A)

2019.1.11 羽田空港

 

ANAの77Wでは3機目の退役機となった「JA734A」は、2006年3月に77Wの4号機と導入された機体で、主に長距離国際線用として欧州・米国路線を中心に運航されました。2013年には東京オリンピックの招致デザイン機として、また2014年11月からはユネスコの公式サポーター機として、それぞれデカールを貼付して運航されていました。前述の事業構造改革において77Wの退役が示されたことで削減の対象となり、2021年2月に退役しました。