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「歴史を失った民族は必ず滅びる」
糸川博士は、
ユダヤの民にある
民族のアイデンティティこそ、
今の日本民族が学ばねばならないことだ
と考えたのです。
そして、こう言いました。
「汝、自らを愛するがごとく、
隣り人を愛せよ。」
は万人に共通する普遍的な真理です。
日本人は西洋人が発見した
科学の原理を導入するさい、
哲学・宗教的な部分をそっくり
落としてしまいました。
日本人がその原理を応用し
作った技術は、
もっぱら経済と結びつき、
欲望に歯止めがかからなく
なってしまったのです。
いい加減に、
日本人は自分がカネやモノの
奴隷状態に陥っているのだ
ということに気づいてもいい
のではなでしょうか。
奴隷のくびきから
脱するためには、
理念とビジョンが
なければならないとは、
モーゼの教えるところです。
西洋の聖書に根差したものも
参考にしつつ、
今こそこれが日本のモラルだと
世界に胸を張って主張できるものを
体系化し、
確立しなければなりません。
これこそが、
新たなる日本を創る
「日本創成」なのです。」
糸川の目的は、
糸川個人のものでなく、
我々日本人、
もしくはアジア人、
さらにいえば人類のだれもに
共通する志というものであったと思えます。
時は一九八九年、
世はバブル景気真っ盛りでした。
糸川英夫は私にこう言いました。
「やがて土地も株も銀行も
大会社も崩壊するでしょう。
日本の国が滅亡するかもしれない危機です。
でもね、誰もそんな声を聞こうとしない。
イスラエル国こそ、
日本民族にとって、
もっとも大切なメッセージを
伝えてくれています。
でも誰もが、
お金のことで頭が一杯。
だから私は、
たった一人ででも
日本の為に
イスラエルとの橋渡しを
しょうと思っています。
イスラエルという
逆境の中にある国に学ぶしか
日本を救う道はないと思えますから。」
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