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人生の師との出逢い
私が、その糸川英夫博士と出逢ったのは
１９８９年７月、私が２９才、
糸川博士が７６才の時でした。
博士の家に着くと広い部屋に
十数人が車座に座っていました。
上場企業の社長、中小企業の社長、
近所の米屋の女将さん、
木工会社の社長、学生、
様々な人が集まっていました。
その夜の勉強会のテキストは、
旧約聖書で、テーマは、
「モーゼに学ぶリーダーの引き際」。
糸川英夫は、こう言いました。
「聖書を宗教の経典にしないでください。
人類の最も古くから伝わる書には
真実があります。
人類史上最高のリーダーはモーゼでしょう。
四〇年間も荒野を彷徨い一〇〇万人以上もの
人々を導いたのですから。
モーゼから本物のリーダーシップ論を学びましょう。」
私は、驚きました。ロケット博士が聖書？
しかし、四千年前の物語を
現代にあてはめて読み解く
糸川博士の聖書講義は、
私の魂の深い場所に染み込んでいきました。
モーセ、アブラハム、イサク、ヤコブ・・・
登場人物がいつしか身近に思えてきました。
糸川博士は、
世界中ほとんど放浪して、
行かなかった国がないくらいであり、
世界中に友達がいたのですが、
人生の最後に選んだパートナーの国は
イスラエルだったのです。
「何故イスラエルかということは、
これ神のみぞ知るということで
ございまして、
私の意志で決めたというよりも、
自分の運命がこれを決めたとしか
言いようがないのです。
私の今回の判断は、
いつの日にか日本とイスラエルが
手をつなぎ大きな影響力を及ぼして
世界を安定に導くもとになると確信しています。」
私も、その夜の聖書を通じた
魂の学びに運命を感じ、
糸川英夫を人生の師にすると決め、
三重から東京へ通い詰めたのでした。
（ つづく ）
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