「ききょう」こと

ウイカ納言は

 

夫の

橘則光と離婚して

息子は

夫のところに残して

 

自分は宮仕えに

出ようとしています

 

才を活かして

世を渡る

そういう生き方を

選ぼうと

 

まさに朝ドラ

「虎に翼」

状態

 

 

百年前

どころか

千年前でも

 

自らの意思で

自分の人生を

選び取る女性が

 

本当にいたのですね

 

 

 

 

そういえば

一条天皇の乳母

藤原繁子さんも

道兼に

離婚宣言

していましたね

 

 

 

 

ただ

宮中に

宮仕えに出るって

言っても

 

お給料は

出るのかしら?

 

出たとしても

全部

衣装代に消えるとか

じゃないのかしら?

 

儀式の時とか

実家から

衣装を持ってくるだの

みんな

言ってるよね?

 

扇は?

裳は?

紅は?

かもじは?

 

全部

自分持ち?

 

女童を

同道してもいいの?

 

特に労働規則が

あるようでもないし

 

採用条件とか

仕事の内容とか

わからないことだらけ

 

仕える先にも

依るとしたって

 

よほどの後ろ盾が

なかったら

恥をかくのでは

ないかしら?

 

心配になる

清しょうこ納言

 

 

はて?

 

ウイカ納言さまは

お父さまが

亡くなったって

聞いたけれど

 

遺産は

どのくらい

お遺しになったの?

 

な〜〜んて

失礼なことまで

訊いてしまいそう

 

ガーンガーンガーンガーンガーンガーンガーン

 

 

 

 

 

 

わたしは

わたしのために

生きたいのです

 

広く世の中を知り

 

己のために

生きることが

他の人のために

なるような

 

そんな道を

見つけたいのです

 

それは

今の時代でも

なかなか難しい選択で

 

そう思い立っても

実行に移せる人

ばかりではないし

 

「虎に翼」の

寅子(ともこ)の

お母さんみたいに

スンッとすまして

生きている人は

多い

 

私もそのひとり

かもしれない

 

(意外と自分の意見は

聞いてもらって

通っていて

不自由ではないし

後悔もしていない

ところまで

寅子のお母さんと

よく似ている)

 

 

 

 

でも

千年前の

清 少納言 は

 

ちゃんと

自分の足で立って

自分の運命を

切り拓きます

 

自分の

依って立つ場所を

選び取って

 

その場所で花開き

やるべきことをやる

 

そして

その姿は

 

千年後にまで

くっきりと

残っています

 

「枕草子」

によって

 

 

 

土砂降りの雨の中

それをものともせずに

勇猛果敢に

空を飛ぶ

羽の生えた虎

 ↑

ウイカ納言

 

このドラマで

どのように描かれるのか

非常に楽しみです

 

 

 

 

 

 

 

いっぽう

まひろ式部は

貧しい子どもに

字を教えたり

 

地道にコツコツ

やってはいるのですが

 

未だ

一足飛びに

それが

社会を変えたりなどは

していません

 

 

 

この時代は

いろんな社会的課題が

山積している状態で

 

教育・労働・

身分制度のあり方

地方行政の問題

等々

 

ツッコミどころ満載

なのですが

 

一番のネックは

貨幣経済が

機能していないことかも

しれませんねぇ

 

 

 

貨幣経済が

成り立つ日は

遠いし

 

教育制度改革なんて

明治時代にならないと

庶民教育は

確立しません

 

女子教育に至っては

本当の意味では

戦後になってか

 

 

 

労働環境なんて

縁故を頼って

或いは情実で

人を雇うが

 

その待遇は

まちまちで

 

報酬だって

支払われているのか

どうか

 

まひろ家を見ていても

怪しいものです

 

ましてや

貴族の家とは無縁な

庶民階級など

 

牛馬のように

こき使われて

 

死んだら

そこらに放置されたり

河原へ捨てられたり

 

 

 

 

 

色々なことが

まだまだ未分化で

システムが未熟な

時代なのです

 

しかも、

権力はひと握りの

貴族階級に

独占されています

 

この時代に限らず

どの階級にも

苦労はあるのですが

 

強い権力を持っている

貴族の中でも

道隆を頂点にする

藤原氏の権力は

強大なものでした

 

それはいずれ

道長のものになる

藤原氏の力ですが

 

その道長でさえ

教育問題の解決や

労働環境の改善など

成し遂げられたとは

言い難いです

 

 

 

ですが

まひろ式部は

このあと

千年先のわたし達でさえ

共感できるような

「源氏物語」

を書き残します

 

 まひろ式部には

 

たくさんの人々の

さまざまな人生を

注視して

 

それぞれを

書き分ける能力が

ありました

 

今はまだ

雌伏の時です

 

 

 

 

二人の

下級貴族に生まれた娘が

 

一千年たっても

色褪せない

文学作品を残したこと

 

それは

素晴らしいことです

 

誇りに思って

良いことだと思います

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は

 

兼家という人は

あの時代にしては

珍しく

 

現実主義を貫いた

心柱の通った人で

 

神仏をも恐れぬ

凛乎たる政治家だった

のだと

思っていて

 

 

死に際に見せたのは

 

はん?

 

三途の川が

渡れない、だと?

 

上等じゃねぇか


それが

ナンボのもんじゃい

 

という

不敵な笑みだと

思いました

 

 

当然ですが

明子女王の呪詛など

全く関係なく

 

(あれは

一人相撲もいいところ

でしょうね)

 

 

兼家は

自分の人生を

全うして

 

去るべき時が来て

この世から

去って

行ったのでしょう

 

 

最期まで

カッコよかったです

 

 

まさか

兼家のことが

好きになる日が来るなんて

 

思っても見ませんでした

 

 

 

私は

兼家ロスに

陥っています