恭賀新年
おめでとうございます。
皆さまのご多幸を
お祈りいたします。
本年も宜しくお願い致します。


皆様、『初詣』は、もうお済みになりましたでしょうか?

「初詣」とは、神様(或は仏様)に年明けの挨拶をする為に参拝をする事を指します。
神様(仏様)は、礼儀の正しい人を好みますので、神様への礼儀を弁(わきま)えて、拝礼をしましょう。

◎礼法(お辞儀などの作法)
○動作

①立ち止まり、足を平行にし、背筋を伸ばした綺麗な姿勢で立ちます。
②相手(神様/仏様)と目を
合わせます。(※長時間目を合わせる事は失礼ですので一瞬です)
③手指の先は軽く伸ばして揃え、自然に手が定まる位置を出発点として、静かに腿の上を膝がしらに向けて滑らせ腰を折り曲げ、首だけを丸め込まず、首と背筋が真っ直ぐな儘で、尻を後ろに突き出す要領で腰を折り、上体を前に倒し頭を下げます。
④腰を戻します。
※綺麗な礼(お辞儀)をするのならば、動作をゆっくり行なって下さい。

因みに…
礼(お辞儀)は、頭を下げる深さ(角度)により種類が区別されますので、解説して措きましょう。
○参拝に於けるお辞儀の動作の名前
●一般的なお辞儀の動作の名前
◇腰を曲げる動作の角度
◆使う局面

○『小揖(しょうゆう)』
●『会釈(えしゃく)』
◇約15度
◆主に鳥居を潜る時や廊下で人と、すれ違う際などに使用される、最も軽く腰を曲げるお辞儀です。
●『敬礼(けいれい)』
◇約30度
◆最も一般的な、お辞儀とされて居り、来客への挨拶や部屋の出入りなどでも使用されるお辞儀で、「会釈」より丁寧な、お辞儀です。

○『深揖(しんゆう)』
●『最敬礼(さいけいれい)』
◇約45度
◆非常に重要な相手への挨拶や、重要な依頼や謝罪をする時や冠婚葬祭など儀礼や儀式の場などで使用される丁重に行うお辞儀です。

○『拝(はい)』
◇約90度
参拝の時のお辞儀
天皇陛下や神様などの非常に身分の高い人物と交わす時のお辞儀で、儀礼や儀式でも使います。


◎合掌について
インド起源のアジア圏の礼拝の仕草で、両手の掌(手の平)を両掌の間に、少し隙間が出来る様に胸、又は顔の前で合わせ、子供の様な穢れのない心を表現するとされます。
◯仏教に於いては、右手は仏の象徴で、清らかなものや知恵を表し、左手は衆生、つまり自分自身であり、不浄さを持ってはいるが行動力の象徴と云われ、両手を合わせる事により、仏と一体になる事や仏への帰依を示すとされています。
また、アジア圏では、他人に向かって合掌をする事は、その者への深い尊敬の念を表します。
◯神道に於いては、『柏手(かしわで)』と呼ばれる「拍手」を打ってから、その後「合掌」をして、お辞儀して礼拝します。

◎神社やお寺に共通の基本的な作法
○『初詣』は1月7日(松ノ内)迄に行います。
松ノ内を過ぎるとその年の初であつても「初詣」とは言えません。
また、最初にお参りした神社や寺が、その年の「初詣」となりますので、初詣の梯子(はしご)で、2ヶ所目以降のお参りは「初詣」ではありません。
しかし、神社やお寺ごとに祀られている神様や仏様は、各々の得意なジャンルの御利益が多少、異っていますので、初詣の後、梯子(はしご)で複数の別の神社やお寺に参拝してもご利益は重なりますので、問題はありません。

○神様(仏様)は、礼儀を重んじますので、泥酔している時の参拝は、神様や仏様に対して、大変ご無礼ですので、お連れに泥酔者が居る場合は、初詣を控えて下さい。
○拝礼の前に服装を整えます。
山門や鳥居を潜(くぐ)る前に、帽子やサングラス、コートやマフラーを着けた儘で拝礼する事は、神様(仏様)に対して失礼なので、脱いでから拝礼します。
また、両手に荷物を持たない様に配慮しましょう。
(※本来はマスクも外すべきなのですが、新型コロナウイルス対策の為、マスクは外さない様にしましょう。)

○山門や鳥居をくぐる時の参道の歩き方は、基本的には、右側通行で、歩く時は、右足から入ります。
もし、左側を通行する必要がある時は、左足から入ります。
また、参道の真ん中は『正中』と呼ばれ、神様や仏様の通り道とされていますので、神様(仏様)に失礼のない様に、なるべく正中を避けて歩く様にするのが良いとされています。

◎「喪中」時の年始の初詣について
●「神社」は聖域である為、『穢(けが)れを持ち込んではいけない』為、喪中の参拝は「Taboo(タブー=禁忌)」とされています。
●「お寺」は聖域ですが、穢れを祓(はら)い、厄(やく)をおとす場所である為、『喪中でも参拝が可能』なのです。

◎手水舎(ちょうずしゃ)の作法
○神社やお寺に、参拝者が手を洗い、口を濯(すす)ぎ、身を清める「手水(ちょうず)」のある場所が『手水舎』です。
水は古くから、穢(けが)れを洗い流すものと考えられており、神様(仏様)にお参りする人はまず身の穢れを手水舎で落とします。
●手水により身を清める手順
①先ず、神社では、「深揖(会釈)」を一礼し、お寺では、合掌をしてから、右手で柄杓(ひしゃく)を持って水を汲み、「左手」を洗い清めます。
※神道では、左が神聖なものとされている為、左手から清めます。
仏教では、右手は仏の象徴で、清らかなものや知恵を表し、左手は不浄さを持っている為、先に浄化すると云われています。
②次に、左手に柄杓を持ち替えて、「右手」を洗い清めます。
※仏教では、ここで手順⑤にとび終了します。
③再び右手に柄杓を持ち替えて、左手に水を受けて溜め、その水で「口を濯ぎ」清めます。
④次に、口を着けた「左手」を再び、洗い清めます。
⑤最後に、水を汲んだ柄杓を立てて、柄杓全体に水が掛かる様にして、自分が持っている柄杓自体を清め、きちんと戻して伏せて置き、仏教では合掌をし、神道では小揖(会釈)を一礼します。

◆神社の参拝
◎鳥居を潜(くぐ)る時
鳥居は、私達の住む世界と、神様を祀った神聖な場所の境であり玄関口でので、鳥居を潜る時は、無断で入るのは神様に失礼ですので、先ずは、きちんと挨拶の「小揖」をしましょう。
○神社の境内に入る際は、小揖(会釈)を一礼してから入りましょう。
また、鳥居や、注連縄(しめなわ)や注連柱(しめばしら)の前では、一度停止して小揖(会釈)を一礼してから内側に入ります。

◎『手水舎』で、手水により身を清めます。

◎神前での作法と手順
神社にもよりますので、その神社の作法で参拝するのが礼儀ですが、その神社の作法が解らない時は、『二拝二拍手一拝(二礼二拍手一礼)』の作法を用いている神社が多い様ですので、この作法で行うのが良いでしょう。
①礼(拝)を2回します。
先ず、なるべく神前の中央には立たない様にし、背筋を伸ばして、お辞儀「拝」をします。
神様へのお辞儀は90度の「拝」です。
②お賽銭を納めます。
賽銭箱が遠い場合は別として、お賽銭を投げて祓い銭とする人も居る様ですが、元々はお供え物が賽銭になったものですから、お賽銭を投げ入れるのは、神様に対して失礼ですので、無理に投げ入れ様とせず、「お供えする」という心構えで、丁寧に賽銭箱に入れましょう。
また、賽銭箱に紙幣が折った状態で剥き出しに投げ込まれているのを時折見かけますが、紙幣を賽銭箱に納める時には、「白い封筒」に住所と名前を書き込み「新札の紙幣」を入れて納めるのが正しい方法です。
お賽銭の「賽」という字は、「神様から頂いた幸福に感謝する」という意味ですので、「お願いを聞いて欲しいから供える祈り賃」ではなく、「神様から頂いた幸福に感謝をする」という事の意思表示です。
気持ちの問題で、金額には決まりはありません。
元旦の祈願は、本来は、個人的なお願い事よりも、国家の安泰などをお願いするのが本筋なのですが、だからといってお願いをしてはいけない訳ではありませんが、先ずは、神様に『感謝』をしてから、お願いを聞いて頂くという流れだそうです。
③鈴を鳴らします。
鈴や鐘の音には魔除けや清めなどの効果があるとされている為、浄化の意味があり、これらを鳴らす事により穢れを祓い、神様をお呼びし、お招きします。
神社で鈴を鳴らすのは静かに1回だけです。
④拍手を2回します。
神社では柏手(かしわで)を打ちますが、「柏手(かしわで)」は、心身の浄化と供に神様への畏敬を表します。
胸の高さ位の高さで合掌してから右手の中指の先が左手の中指の第二関節に来る位に下げ、肩幅くらい迄、両手を開いて打ち、その儘、指先を合わせて合掌します。
⑤合掌して祈願(お祈り)をします。
お参りがより効果的になる為に「祓い詞(はらいことば)」を頭の中で唱えるのも良いでしょう。
○祓い詞
祓い給い(はらいたまい)
清め給え(きよめたまえ)
神ながら(かむながら)
奇しみたま(くしみたま)
幸え給え(さきわえたまえ)
⑥最後に礼(拝)をし、右回りに後ろを向いて振り返えらずに、立ち去ります。

◆お寺の参拝
◎お寺や神社は山になっている場所に建っている事が多く、お寺の入り口に建っている立派な門は『山門』と呼ばれ、山門から先は神聖な領域となっていて、お寺の門の敷居は、神社でいう鳥居と同様に、聖域と俗域との「結界」を示していると言われています。
ですので、入る前に山門より手前で身だしなみを整え、一礼もしくは合掌をして山門を潜(くぐ)り、境内に入ります。
この時、お寺の山門にある『敷居』は、踏まずにまたいで入ります。

◎『手水舎』があれば、手水により身を清めます。

◎『常香炉』で身を清めます。
お寺によっては、本堂の前にお線香を焚く『常香炉』があります。
常香炉で仏様に「お香」を供えて、その煙を浴びる事で身を清めます。
また、煙をかけると体の悪いところが良くなるとも云われてます。

◎多くの仏像がいるお寺では、一番先に『御本尊様』にお参りする様にしましょう。
◎仏前での作法と手順
①なるべく仏様の中央には立たない様にし、小揖(会釈)を一礼します。
②お賽銭を納めます。
③小鐘を鳴らします。
鐘を鳴らすのは仏様への挨拶の意味があり、静かに1回だけです。
ただし、お寺によっては、一般参拝者が鐘をつく事を禁止している場合もありますので、事前に確認する様にしましょう。
④合掌して祈祷(お祈り)
神社では拍手(かしわで)を打ちますが、寺院では拍手を打たず、静かに合掌して下さい。
⑤礼(拝)をして右回りに後ろを向いて立ち去ります。


◎厄年(やくどし)
災難や大病に見舞われ易いとされる年の事で、一般的に男性は「25歳」「42歳」「61歳」、女性は「19歳」「33歳」「37歳」で、その前年の前厄と後年の後厄と合わせ、前後3年続き、特に、男性の「42歳」は「死に」、女性の「33歳」は「散々」に通じるとして、『大厄』とされています。

◎御神籤(おみくじ)・お守り
前の年に頂いた、お守り、お札、御神籤(おみくじ)などは、基本的には「頂いた神社(お寺)」に返します。
御神籤には、願望、待人、失物、旅行、転居、学業、商売、縁談、などの各々の項目について、今年1年間の神様のアドバイスが書いてありますので、迷った時に見直しをします。
その為、引いた御神籤は、その場で結んでしまい無しにせずに、持ち帰って迷った時に見直しの出来る様に、1年の間、大切に保管をして、翌年に新しい御神籤を引いたら結んで返します。
但し、凶を引いた場合は、その場で結んで無しにしてしまい、凶が吉に転じる様に神様にお願いをしてから、もう一度、御神籤を引き、そちらを持ち帰ります。