腎臓にやさしい減塩生活のススメ 〜管理栄養士が教えるカラダと心の調整ごはん〜
減塩コラム第2回:腎臓をいたわるには?“腎機能を高める”食生活の新常識
腎臓を守るには“塩分を減らす”だけじゃ足りない!
「腎臓に悪いのは塩分でしょ?じゃあ減塩さえしていれば安心」と思っていませんか?
確かに塩分を控えることは腎臓を守る第一歩ですが、実はそれだけでは不十分。
腎臓の働きを支えるには、
腎臓が元気でいられるための“栄養素”と“食べ方”がとても重要です。
腎臓は血液をろ過し、体内のバランスを保つ臓器。
つまり、
“何を食べるか”が腎臓のパフォーマンスに直結するのです。
今回は、腎機能を守り・高めるための具体的な食生活の工夫をご紹介します。
ポイント①:腎機能を高める栄養素や食品
腎臓をサポートする栄養素として、まず注目したいのが「抗酸化成分」です。
活性酸素による細胞のダメージを防ぎ、腎臓の老化を抑える働きがあります。
特にビタミンC(ブロッコリー、パプリカなど)、ビタミンE(アーモンド、かぼちゃなど)、ポリフェノール(ブルーベリー、緑茶ばど)が豊富な食品を積極的に取りましょう。
また、ナトリウムの排出を助けるカリウムも大切。
ほうれん草、バナナ、アボカド、海藻類などに豊富に含まれます。
さらに、オメガ3脂肪酸(青魚・えごま油・亜麻仁油)には、
腎臓の炎症を抑え、慢性腎臓病の進行リスクを下げる働きも期待されています。
これらの栄養素を“バランスよく、毎日少しずつ”とることが、腎機能の維持につながります。
ポイント②:「食べる時間帯」が腎機能に関係
最新の研究では、食べる“タイミング”が腎機能に影響する可能性があることもわかってきました。
川崎医科大学の川崎誠博士の研究によると、
朝食をしっかりとることで代謝が安定し、腎臓の負担を軽減できるとされています。
また、夕食で多少塩分を摂っても、1日のリズムの中で排出しやすいとされる結果も。
ただしこれは、「朝食をしっかり・夕食を控えめ」を基本とした生活が前提。
腎臓にやさしいリズムは、単に「食べる内容」だけでなく、
「いつ食べるか」というタイミングの工夫にもあるのです。
夜遅くの食事や、朝食抜きなどの乱れた食習慣は、腎臓にもストレスを与えてしまいます。
ポイント③:「腎臓のための1日リズム」で生活
では、具体的にどんな食事スケジュールが腎臓にやさしいのか、
「腎臓のための1日リズム」の一例をご紹介します。
- 朝食(7~9時):野菜しっかり
カリウムやビタミンC・Eを含む食材で、腎臓の働きをサポート。例)バナナ+ヨーグルト、ほうれん草と卵の炒め物、緑茶など。
- 昼食(12時前後):エネルギー補給
エネルギー補給と腸内環境を整える食材を意識。穀類・豆類・魚・海藻などで栄養バランスを。
- 夕食(18~20時):適度な量の良質なたんぱく質
塩分は控えめにしつつ、良質なたんぱく質(鶏むね肉・豆腐・白身魚など)を取り入れ、体の修復と維持を支える食事を。
このように、「いつ・何を・どのように食べるか」の流れを整えることで、腎臓の働きを無理なく支えることが可能になります。
管理栄養士の一言
「腎臓のために良い食事」と聞くと、制限ばかりのイメージを持つ方も多いかもしれません。でも実は、“なにを・どれだけ・いつ食べるか”を意識するだけでも、大きな違いが生まれます。大切なのは“減らす”ことより“整える”こと。
食材を選び、食べるタイミングを工夫することで、我慢せずに腎臓をいたわることはできます。
腎機能の低下が心配な方も、
まずは自分の食生活を「知る」ところから始めてみましょう。
まとめ:「無理なく腎臓と仲良く暮らす」食の知恵
腎臓は毎日、黙々と体のバランスを保ってくれている“縁の下の力持ち”。
だからこそ、「不調が出てから」ではなく、「元気なうちから」ケアすることが大切です。
“腎臓に良い食生活”とは、特別なサプリや高価な健康食ではなく、
日々の食材選びや、ちょっとした調理の工夫、食べるタイミングの中にあります。
塩分を減らすだけでなく、腎臓を元気に保つ栄養素をバランスよくとり入れ、
無理なく続けられる「自分なりの腎活」を見つけましょう。
次回は「おいしく続ける減塩生活!“味つけの工夫”と“選ぶべき食材”とは?」です!
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