映画「風立ちぬ」49本目 | 聖心美容クリニック 伊藤哲郎

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ジブリの新作「風立ちぬ」をやっと観に行けました。

以前より、注目して関連書籍を読んでました。
読書「零戦 その誕生と栄光の記録」 堀越二郎 著
読書「風立ちぬ・美しい村」 堀 辰雄 著

いろいろと話題になっていましたが、内容には触れないように感想を。

まず、鑑賞し終わってのまっさきに思ったのが、

これは、やってしもうた・・・・

子供向けではないということは話題にはなっていましたが、あまりにも詩的な仕上がりのため、大人でも難解な作品だと感じました。

つまり、ジブリというと万人受けする作品というのが当たり前でしたが、今回のはついて行ける人にしか評価されないのではと。

そのため上映終了後には他の観客の微妙な残念感がなんとなく漂っていました。

私としては、絶賛というほどはなかったですが、やはりいい作品でした。

ジブリの主役の声優はエヴァンゲリオンの監督 庵野秀明が担当するということで初声優で大丈夫なのかと危惧されておりましたが、あまり違和感なく聞けました。

劇中には戦前に堀越二郎が設計を行った七試艦上戦闘機、九試単座戦闘機がきちんと登場します。

逆ガル翼が特徴の九試単座戦闘機が本作の中心的に扱われていました。この戦闘機は試作を重ね、堀越二郎自身が零戦より会心の作であったと評価した九六式艦上戦闘機として活躍しました。

堀越二郎が空気抵抗を軽減させるため、取り入れた沈頭鋲もきちんと登場しているあたりはマニアックでよかったです。

曲線の美しさにこだわる堀越二郎だからこそ、集大成として美しい戦闘機と称された零戦を設計しえたのでしょう。


さて、堀越二郎ともう一つのこの作品の側面である堀辰雄 著の「風立ちぬ」から見た感想です。

小説では物語の大部分が富士見高原の療養所での看病となっています。主人公が作家だったから可能なのでしょうが、二人の残された短い時間を一時も無駄にしないかのように仕事をせずに付き添ってます。
まさに本文にある「普通の人々がもう行き止まりだと信じているところから始まっているような」二人の愛として描かれてます。

「風立ちぬ いざ生きめやも」

小説にてこの詩がありましたが、限りある人生でも、強く生きようといった気持ちが含まれていたのかなと。

小説の側面からは少し儚さ、生きようという幸福さが足りなかったのかなと感じました。


とはいっても総合的には良い作品と思いました。
今までのジブリとは違って明らかに対象年齢が子供から大人にシフトしているため、不用意に鑑賞すると全く意味が分からんとなってしまい、評価が下がりそうです。

オススメ度:★★★★☆



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