映画「カルテット! 人生のオペラハウス」36本目 | 聖心美容クリニック 伊藤哲郎

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引退した音楽家たちが暮らす老人ホームを舞台にしたドラマ。
それぞれが思い思いに演奏を楽しみ、音楽に溢れる日常。

昔ともにカルテットをしていた3人も同じく余生を過ごしていた。

そんな矢先にホーム存続の危機が訪れる(あまり説明なく・・・)。
定期的に行っている音楽会をなんとか成功させなくてはいけないということ。

そんな時にかつて共にカルテットを行っていた最期の一人が入所してきた。ならばもう一度カルテットを音楽会でしようとなるが・・・・

というお話です。


元から入所していた3人はというと。


男性はビリー・コノリー(左)、トム・コートネイ(右)
ビリー・コノリーはイギリスのコメディアン、ミュージシャン、俳優、司会などをこなす多彩な方。
コメディアンらしく、この作品でも口は悪いですが、笑わせてくれます。
冒頭で医師が診察しているシーンがあるのですが、そこでバレー徴候が出てきて、左麻痺があるという設定が分かります。脳梗塞の既往でもあるのでしょうか。



●バレー徴候
閉眼して、上肢を絵のように保持してもらうと、麻痺側の上肢が自然を下がってしまうという現象。


一方のトム・コートネイは堅物の役で対照的です。
主に舞台で活躍されているそうで、トニー賞に何度とノミネートされたことも。映画では公開されたばかりの「モネ・ゲーム」にも出演しているよう。


もう一人はポーリーン・コリンズという主にテレビドラマなどで活躍されている方。
老人ホームに入所しているということなので、軽度の認知症ある役となっていました。


そして、新しく入所するカルテットの残りの一人をマギー・スミスが演じています。


たくさんの映画に出演しています。最近ですとハリー・ポッターにも。
個人的には「天使にラブソングを」の修道院長役のイメージが強いです。


なんかいつもちょっと怖い役のような気がします。


この映画の大きな見所はというと、現役を引退した音楽家が本当に出演していること。
たくさん曲を演奏しているシーンがあるのですが、それらは実際に演奏しているままの音源だそうです。
引退したといえ、素晴らしい演奏でした。


監督のダスティン・ホフマンと一緒に写っているギネス・ジョーンズ。ただのおばさんかと思っていたら、実は有名なソプラノ歌手。

これまた衰えを感じさせない美声を聴かせてくれます。



さて、感想です。
イギリスの片田舎にある田園風景に囲まれた老人ホーム。窓から見える風景や庭などのシーンの映像はとても綺麗です。

マギー・スミスが演じる役では、老いることをマイナスとして捉え、いつしか歌を歌うことを止め、過去の栄光にすがっているように。

しかし、老いることは決してマイナスではなく、例え老いて、身体が不自由になったとしても、生き甲斐をもって生きることでより人生を充実させることができるんだと。

作中には引退した音楽家が講師となって地元の高校生?を対象とした音楽教室を行っており、このように若い世代、社会と関わりを持つことの出来るモデルって大切だなあと感じます。

そして、ラスト。
えっ!!終わり!!という方もいると思いますが、私はとても後味の良いラストだなと。

エンドロールでは出演した音楽家たちの若かりし日の写真を映し出されるという憎い演出もあり、最後まで楽しませてくれます。


オススメ度:★★★★☆




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