昨年の東日本大震災にてビルの揺れを抑えるのに活躍していた装置ですね。こちらの映像を見たことがある方も多いと思います。
ちょっと気になったので、調べてみました。
この装置は制振装置といわれるもの。
「制振」と振動を制御することをいいます。似ているけど意味の違う用語には、免震、耐震がありますね。主に高層ビルの強風による揺れを軽減することが目的のようです。
制振は3つの種類に分けられます。
パッシブ、セミアクティブ、アクティブ。
エネルギーの入力が必要かで区別します。アクティブ制振とは、建物の揺れを打ち消すように揺らしてしまおうというものようです。
装置の形態で分けた時には、層間ダンパー型、マスダンパー型、連結型などに分けられます。
結局、トリトンスクエアはなんなのかというと「連結型アクティブ制振装置」ということです。
詳しくはこちらの資料を見るとよいです。
連結型アクティブ制振装置の開発と高層 3 棟への適用
この論文を読むと意外なことを発見。
この連結型アクティブ制震装置は風の揺れに対してビルの動き、加速度に対して適切な力でブリッジを伸び縮みさせて、揺れを減少させるというもの。
しかし、暴風、地震などに対してはクランプを開放して自由に動くようになり、力を加えないようです。
つまり、さきほどの映像での伸び縮みというのは、積極的にビルの揺れの軽減に働いていたのではないようです。
なんだかちょっとがっかりでした。
そこで気になる他の高層建築はどうなっているのだろうということです。
皆さんが真っ先に思いつくのは、東京スカイツリーと思います。
スカイツリーは心柱制振という方法で揺れを軽減しています。
詳しくは日建設計 東京スカイツリー構造紹介をご覧下さい。
五重塔からヒントを得ているようですが、中心とその周囲構造を分離することで中心の心柱におもりの役割を与えているようです。
そして、上部にはパッシブ制振のTMD(tuned mass damper)が2基置かれています。
TMDとは固有振動数を最適に調整した錘を減衰装置として用いているものです。
MBE、東京スカイツリー®に制振装置TMDを2基納入高さ600mでアンテナ支持塔を風による振動から守る
いろいろと調べてみると、奥が深い制振装置。
きっとみなさん興味ないでしょうが、トリトンスクエアにいらしたらぜひご覧になってみてはいかがですか。