上手な手術には、高い技術が必要なのはもちろんのこと、
実は、麻酔(注射)の技術もとても大切 です。
なぜならば、どの美容手術を行うにも、まずは「局所浸潤麻酔」が必要だからです。
『局所浸潤麻酔』
注射で皮下に直接 局所麻酔薬を注入し痛覚を遮断する最も一般的な麻酔法です。
注入の部位を変えながら、徐々に麻酔の範囲を広げていきます。
その際に、注射による痛みが最小限になるよう、原則として神経走行の中枢側から末梢側に向かって部位を変えながら麻酔薬を浸潤させていきます。
また、手術中の追加麻酔であれば創面から注射します。
(皮膚には痛点がありますが、創面には痛点がないからです)
注入の時の痛みも最小限にするために、ゆっくりと注入します(slow injection)。
この注射による痛みついては、近年 画期的な進歩がありますので後述させていただきますね。
ブロブを書いていたら
「専門医が教える研修医のための診療基本手技」で、「麻酔の仕方」の巻を執筆したのを思い出しました。
もちろん、教科書には事細かく専門的な内容も記載してあります。
麻酔薬の種類
超音波ガイド下での神経ブロック麻酔
などなど...
かなり専門的な話になってしまうので今日は割愛しますね。
そして、先程の局所浸潤麻酔の近年の画期的な進歩ですが、
『ゲートコントロール理論』により注射時の痛みを和らげるというものです。
「ゲートコントロール理論」とは、1965年にロナルド・メルザックとパトリック・ウォールによって発表された理論で、
ここ数年、脊髄後角神経回路について複数の論文が報告され、神経回路の実体がしだいに明らかとなってきたため、50年経った今、その学説が再び学術誌を賑わせています。
痛みが伝達する途中にゲート(門)があり、痛みの伝わり方をコントロールしているという理論です。
刺激を伝える神経には、痛覚を伝える細い神経繊維(S)と、触覚による圧力・振動などを伝える太い神経繊維(L)があるとされています。
(L)と(S)の刺激が同時に発生すると、感覚を脳に伝える経路の門番である脊髄は、太い神経(L)からのシグナルを優先的に受け取り、後からくる細い神経(S)からのシグナルに対してはゲートを閉ざすというのです。
つまり、痛いところをさすったり振動(L)を加えることで、痛み(S)が緩和されるという理論の裏付けです。
まさに『ちちんぷいぷい 痛いの痛いの とんでいけ!』ですね。
聖心美容クリニックでも 現代の痛いの痛いの飛んでけ (笑)『BullBull pen』が導入されました。
スタッフへのボトックス注射の際に使用
いい反応ですね
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