子どもを指導していると絶対にやってはいけない子育てがあります。
それは何かというと
「子どもを王様にする」
です。
「うちはそんなことはしていません」
と思うかも知れません。たとえばこんなことです。
「子どもにストレスを与えない」
ということ。実際には社会に出たら「ストレスなこと」が多いです。そして、
それに対して
「耐性をつけない」
といけないのです。ストレスに耐えたり、それを上手にスルーしたり。それも学生のうちにやっておくのです。
たとえば、塾にサービスを求めすぎると子どもは「王様」に近づいていきます。
「塾をやっているのに何をいっているの?」
と思うかも知れません。実際にお母さんの要望に応えていきましょう。その答えも書いておきますね。
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「わかりやすく教えてください」
→わかりやすくないと理解できない子になる
「わからない問題に答えてください」
→わからない問題は聞けばいいと考えない子になる
「うちに合わせてください」
→社会に出ても同じ態度で周りとし接します
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これの度が過ぎると
「勉強をしてやっている」
という態度になります。これでは受験はおろか、社会人になっても大変ですね。
勉強は基本自分でやるものだからです。
さきほどの質問に対しては
「塾なら当たり前でしょ」
といわれるかも知れません。それを求めるお母さんやお父さんもいます。
ただ、自分も子育てをしてきて
「社会人となって役立つのか」
というと
「とてもではないがムリ」
と思ってしまうのです。笑えない話ですが、「不採用」となったときに親からクレームの電話がかかってくるようになるのです。
「わかりやすく教える」
実際に私は
「少しわかりにくく教える」
こともあります。もちろん、塾ですから
「わかりやすく教える」
ということを追求してきたのは当然です。
ですが、
「わかりにくくても必死で理解する頭」
をつくりたいのです。というのも
「会社の社長の話はわかりやすい?」
「会社の上司の話はわかりやすい?」
「会社の先輩の話はわかりやすい?」
「お客様の話はわかりやすい?」
答えはすべて
「NO」
です。基本的にわかりにくいことが多いのです。その中で
「相手はどんなことをいいたいのか?」
と神経を尖らせて相手の話を聞かないといかないのです。そうやって、相手の話を理解して聞こうとすると頭がドンドンさえてくるのです。
もちろん、いきなり
「わかりにくい説明」
をするわけではなく、事前にこの話をします。
「社会に出たら、わかりやすい話ばかりではない・・・」
と。そして、特に「進学校」に進む子は学校の先生の説明が難しい場合もあるので、自分で理解する力をつけるようと話をしています。
実際に進学校に入ると進むスピードは速いです。そして、ほとんどの子は自分で理解しているのです。だから、
「自分で理解できる力」
をつけないといけないのです。
「わからない問題に答える」
もちろん相手のレベルによって違いますが、高校生になって質問がきたら
「バカになりたからすぐに教えるけどいい?」
と返しています。もちろん、普段は「バカ」何て言葉は使いません。「バカ」という言葉を使うときはにはその裏に強いメッセージがあるのです。
というのは
「その子は本当はもっとできる子」
だからです。実際にさきほどの言葉をいってから
「もう一度教科書を読んでノートに書いてごらん。できるから」
といって生徒に考えさせます。そうすると半数以上の子が
「できた。何だ楽勝」
といって次の問題に取り組みます。そして、それでもできない子に
「ここ読んでごらん」
といってヒントを出すと残り3割の子が
「できた」
と戻ってきます。そして、どうしてもわからない問題だけを教えています。
すると
「あー、なるほど」
となります。これはその子が
「必死に考えたから」
です。実は質問を持ってくる子は
「もともと力がある」
のです。ただ
「考え抜く癖」
「調べる抜く癖」
がついていないだけなのです。だから、わからなくてもすぐに質問に答えないで考えさせると自分でできるようになるのです。
「うちに合わせてください」
塾はサービス業だから合わせてください。
もっともな話です。ですが、残念な話ですが、その前に【教育】がつくのです。
目先のサービスを求めるのであればそれでもいいのですが、大切なことは
「今の快適さではなく、子どもの成長」
なのです。というのは、しょせん学校もある意味生徒は
「お客様」
です。子どもはサービスを受ける側です。
ですが、社会に出ると
「サービスを提供する側」
になります。ここでは自分に合わせるのではなく、相手に合わせないといけません。
ときには「理不尽なこと」と感じることもあります。そういったことも
「学校にいる間に身につけておく」
のです。そうするとことで社会でも適応できているのです。
実際に社会に出ると勉強もそうですが、勉強をやっていて身につける
「考えること」
「調べること」
「耐えること」
「コミュニケーションをとること」
などが要求されます。子どもには勉強でだけでなく、こういったことも身につけさせないといけないのです。
だから、
「子どもを王様にしてはいけない」
のです。