模擬試験を3倍活用する(その6) | 成績110番

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子どもの成績を上げるための具体的方法を紹介しています。

前回までの復習

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一般的に模擬試験を受ける目的             
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模擬試験を受ける目的には次の5つがあります。

1.現在の実力を知る
2.弱点分野を知る
3.成績の推移の傾向を知る
4.試験慣れをする
5.質の良い問題を手に入れる

つまり、これらの目的で模擬試験を受けてはじめて

「模擬試験を活用した」

ということになります。

今回は、その3として、

「成績の推移の傾向を知る」

ということでやっていきます。

私が以前に勤めていた会社の社長が言っていた言葉
に以下のような言葉がありました。

「今の売上も大切だけれど、それよりも
 売上の<傾向>だよ。売上が上向きか、下向きか
 の方がもっと大切だ。」

と。実は、会社でもそうですが、それは、受験生でも
同じです。今回は、模試を数回受けている人のための
お話です。

模試は1度の結果だけではわかりません。
というのも、1度の模試では

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偏差値で上下+3、-3の誤差
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が生じるからです。それは、

<自分の得意分野・不得意分野の出題>



<受験者数の変動>

によります。ですから、少なくとも模試では、同じ会社
の同じ種類の模試を3回以上受けてみないとわかりません。

そして、何度か模試を受けながら知っておくべきことが、
その

<傾向>

です。毎回の偏差値の内容と、それと偏差値が上昇
しているのか、下降しているのかです。


以下は実際に大手塾で起こった例です。ある大手塾に同
じ高校を希望する

  A君

  B君

という2人の生徒がいました。2人は最終的に志望校は同じでした。

<A君>

 第一志望は、K高校(偏差値 57)。しかし、成績を見
 て志望校をI高校に変更(偏差値 55)。さらに、安全
 対策として、N高校(偏差値 52)を受験。


<B君>

 第一志望は、N高校(偏差値 52)。しかし、最初の偏
 差値は43で志望高との差は、偏差値で、9。


というところでした。


そして、2人の成績の推移は以下の通りです。

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 <A君、B君の偏差値推移>
       1回   2回   3回   4回   5回   6回
  A君   51   57   55   54   52   50
  B君   43   44   45   47   49   50
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<A君平均偏差値は 53.1>

<B君平均偏差値は 46.3>

 平均偏差値だけを見ると

<A君の偏差値が高い>

ですがそれよりも大切なのが
実際に

<合格する確率が高いのは、B君>

何です。というのは、これをグラフの表してみると
よくわかりますが、

  A君は、2回目が頑張って偏差値57

をたたき出していますが、この後は、完全に

<成績は下降気味>

です。このタイプの生徒さんが一番怖いです。
実際に本番の入試では、

   合格  B君
   不合格 A君

というものでした。また、私の塾でも同様の経験をした
K君がいました。K君は、もともと真面目でしたが、
中3になり生活が荒れてしまい、大きく成績を下げた
生徒です。最初は

<偏差値50>

でしたが、志望校もそれにあわせたところを選択していました。しかし、
成績が下がる一方なので、さらに、志望高を下げると、またまた、偏差
値が下がる。さらに、安全策をとって、志望高を下げると偏差値が下が
る。
つまり、

  偏差値が下がる→志望高を下げる

  また、偏差値が下がる→志望高を下げる

  さらに偏差値が下がる→志望高を下げる

という<悪魔のスパイラル>に陥ってしまったのです。そして、合格したの


  偏差値 38

のところでした。つまり、

<下降気味の成績は、入試当日、実際の模試よりも低い実力しか
出せないことが多い>

とのです。実際に塾でも、3月に公立高校を受験する場合は、
1年間も模試の平均よりも、直近の3ヶ月の模試の結果が重要視されます。
(実は、これは銀行に提出する経営計画でも、直近の3ヶ月の売上傾向
は大切です)

模擬試験では、常に最低でも3回は受験して、受験生の成績の傾向
を把握して下さい。

 そして、この事実からわかること、それは、受験生にとって大切なこ
とは、

 「試験の3ヶ月前から直前まで全力を出し切る。」

ということです。実際に、私と、私の隣の席のNとでは、センター入試
の1か月前の努力で、

   60点

も差がつきましたから・・・・・

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