数学6点が67点へアップした(その2) | 成績110番

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子どもの成績を上げるための具体的方法を紹介しています。

■成績がよくない生徒の成績の上げ方

成績の悪い生徒の成績を上げる方法は、
実はいたってシンプルなのです。

 よく家庭教師を頼まれて、ご家庭のお伺いすると、
言われるのが、

「うちの子は数学ができなくて・・・・。」

と出来れば苦手科目からの指導を頼まれます。

でも、これは非常に間違った指導なのです。

というのは、生徒が割合成績がよくて、
たまたま、「数学」だけが苦手なら、それでもOKですが、
だいたいは勉強嫌いな子供が多いものです。

それで、質問ですが、

「勉強嫌いな子が、苦手科目の勉強しますか?」

ということです。実際は、

「勉強は嫌い」
「数学が嫌い」

というタブルパンチでは、とても良い成績を残せません。
それよりは、最初はまずは、

「得意科目を作る」

ことに集中してください。もちろん、スタートする時期にもよりますが、
まずは、お子さんに

「勉強をやれば、できた。自分でも出来るんだ!」

という『自信』と『成功体験を積ませる』ことなんです。
ですから、出来るだけ早く結果を出すためには、
なるべく

1科目に絞って、得意科目に集中する

ということをやって下さい。

そういう私も偉そうなことを言っていますが、
実はこれは学生の家庭教師がやっていて、
成果が上がったからなんです。

その先生も

「本当に上がってびっくりした。」

と驚いていました。実際に、子供の心理状態を考えると、
子供のやる気を引き出すには

「味を占めさせる=成功体験を得る」

がまずは大切なので、結果をだしやす形の方がいいのです。

これは、社会人になっても同じです。

社会人になっても自分のポイントとなるUSP(ユニーク・セールス・ポジション)
(相手がおののく特徴)を持つ事が大切です。

私も長年、「苦手科目」からスタートしていましたが、
あまり芳しくなかったのですが、
この方法に切りかえると割と成果が早くでて、
苦手科目も伸ばせるようになってきました。

それで、このU君は特に「得意科目」はなかったのですが、
今後の入試も考えて、私は最初は「数学」に絞って指導することにしました。

もちろん、後ほどは英語も指導するつもりではいましたが、
まずは、自信をつけさせようと思ったからです。

といっても、数学も、「中1」のスタートからつまづいていますし、
小学校の「分数の計算」もあやふやです。

しかし、が彼にはいいところがたくさんあったので、
それが成果に結びついたのです。

彼のいいところは、

「塾では真面目」
「言われたことをする素直さ」

この大きくはこの2つです。

とにかくU君は他の生徒たちとは

「別メニューで勉強をスタートする」

ことにしました。
数学では、中1の最初のところ、

 「正の数負の数」「文字の式」「方程式」

までは最低理解できないと、残り3年間は全滅ですので、
彼には最初の1年間はこれだけを指導することしました。

そして、彼に大きな変化が生まれてきたのです。

私が最初、彼に指導したことは、

「数学では、途中経過をきっちりと書く」

ということを徹底的に指導しました。
数学が途中でできなくなる子の多いのは、

「決して途中経過を書かない!!」

ということが多いのです。

数学とは、

「論理の積み重ね」

の科目ですから、私が成績を上げるためには、
生徒の論理の積み重ねが、
どこで間違っているかを把握しなければなりません。

例えば、

   3+4+6+10+2=23 ×

だけだと、これを解いた生徒はどこで違ったかは全くわかりません。

   3+4なのか、+10なのか、それが、

  3+4+6+10+2
=7+6+10+2
=13+10+2
=23

と書いてあると、

「あっ。この生徒は、最後の2を足し忘れたんだな。」

とわかります。また、さらにレベルアップするために、

  3+4+6+10+2
=4+6+10+3+2
=10+10+5
=25

という具合に、数学の「交換法則」を使って、

「先に10になるものを集めた方が計算が早くなるよ。」

とアドバイスすることもできます。

こうやって、生徒の間違いを1つ1つ指摘して直して、
「トレーニング」してあげることなのです。

それをやっていくと、少しずつ成績が上がってきます。
それを早くやると、成績が一気に上がるのです。

しかし、塾でも生徒によっては、
そううまくいくことばかりではありません。

中には、

「そんなの面倒くさい。」

と言って一向に書かない生徒がいますが、
こういった生徒は全く上がりません。

U君と同じ点数で、T君もそんな生徒でした。

「そんなこと言っても、僕は僕のやり方でやる。」
「先生、暗記が音読して、書いて覚えるのなら苦労しない。」

と言って、数学の途中経過もかかなかったり、
英語の単語の暗記も「黙読」で覚えたりして、
結局、3年になるまで、成績が上がりませんでした。
(ちなみこの生徒は、英単語を6個覚えるのに6時間かかります。
もちろん、英語はいつも1桁の成績です)

話は、戻りますが、U君は、その点、
言われたことをきっちりやる生徒でした。
とにかく馬鹿正直に、1つ1つ正確に書いていました。

それと、私がやったことは、彼を褒めちぎったことです。
勉強は出来ませんが、彼は、とにかく塾から帰るときは、
いつも自分の机の周りを掃除して、一切無駄口を言いません。

ですからそこを褒めたのです。

「みんな、U君を見習って。いつもきれいにして帰るでしょ。」
「U君は塾の模範生だ!」

と言っていました。もちろん、難点もありましたが、
(彼は、自転車できていたので、雨が降ると塾を休みがちでした。
また、机の掃除でも家では無茶苦茶だそうです)

できるだけ、目をつぶって褒めるてやることにしました。

そして、方程式の計算が何とか出来るようになったとき、
学年末のテストがあったのです。

「どうできた?」
「まあまあ。」

と言って帰ってきたテストは、
なんと・・・

続く