補正予算見直し 政権の政治主導が問われる
http://www.ehime-np.co.jp/rensai/shasetsu/ren017200910042645.html
…報告期限だった2日までに確保できた財源は約2兆円規模の見通し。目標額とされる3兆円には及ばなかった。報告内容を吟味して上積みをめざしていくのだろうが、鳩山政権の目玉ともいえる予算改革は大きな試練を迎えたといえる。… 民主党は、無駄を削減して公約の財源に転用する方針だった。現に藤井裕久財務相は「3兆~4兆円」と目標額を就任前には明言してもいた。
が、省庁からの報告期限だった一昨日、見直し額は公表されなかった。そればかりか、「全然目標は決めていない」(政府高官)と、政府は目標額などなかったかのような態度だ。
民主党は情報公開への積極性もセールスポイントの一つだったはずだ。補正の見直しは有権者の大きな関心事であり、政府には説明が求められている。国民に見える形での見直しを求めたい。 …現場視察などで閣僚が再認識した事業もあったようだ。相変わらず厳しい経済情勢もある。… 補正予算の見直し問題では、政府内の司令塔不在が露呈した。目標額到達が危ぶまれたことから、行政刷新担当相と国家戦略担当相、財務相の3閣僚が押し付け合いを演じた。 …10年度予算編成の見直し作業はさらなる困難が予想される。削減が難しい社会保障費などの比重が大きいからだ。 …
(2009.10.4 愛媛新聞)
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「目標額とされる3兆円には及ばなかった」とあり、私も藤井さんは「3兆円はいける」と発言していたように思っていたので、これは問題だなと思ったら、財務大臣就任前の発言でしたね。
民主・藤井最高顧問「補正予算から3、4兆円」
http://www.aab-tv.co.jp/news/annnews_tp_190913006.html
(2009.9.13 ANNニュース)
また、たとえ各大臣が「査定大臣」としてトップダウンで削減を行うにしても、各省庁が自身の身を削ることに期待してはいけないのであって、そもそも限界がありますから、ここから政治的上積みを図って、最終的に3兆円まで持っていければ、政府のメンツは保たれると思われます。
しかし、そのような好意的見方をしたとしても、各省庁からの報告期限であった2日時点で、3兆円に届かなかったことは、一見小さな問題に思えて、今後の政権運営に不安を抱かせる要素をはらんでいると感じました
それは、藤井氏に限らず、各大臣から就任以来威勢の良い発言が目立ちますが、各大臣が信念を持つことはいいにしても、それらが実現見込みや裏付けがあっての発言だろうかという不安です。
大臣である以上、評論家のような発言は許されません。
藤井氏の前は財務大臣就任前ではあったことを考慮する必要はありますが、このような「ぶち上げ発言」をしたはいいが、「実際に現場をみたり、各方面と調整してみたら意外に難しくできそうにありません」ということになるようだと、大臣の威信の低下につながってしまいます。
発言がブレにブレた麻生前総理が典型例です。
こうした考えから、最高・最終決定権者である大臣が発言する場合には、最終決定までの間は、フリーハンドが保てる範囲の発言にとどめておいた方がいいと思います。
ただ、「具体的な内容は最終決定まで言えません。」となると、検討過程の情報が公開されにくくなる。
情報公開をモットーとする民主党でそれが気になるなら、副大臣や政務官に発言・発信させればいい。
さらに言えば、検討過程の情報発信は副大臣や政務官がやるようにしたとしても、論点整理や技術的細部の詰めは、最初は官僚に詰めさせた方がいい。
有能な政務三役(大臣、副大臣、政務官)がチームをつくってやるとはいえ、多岐にわたる行政課題の全てについて、一から十まで、隅々まで問題点を精査して論点整理してとりまとめていたのでは、いくら時間があっても足りません。
かつて、竹中平蔵氏が、「戦略は細部に宿る。戦略的思考をもって細部まで設計することが重要である」という趣旨のことを述べられたことがありました。
これは政治家といえど、細部まできちっとみないと官僚に落とし穴を掘られますよ、という警笛です。
したがって、官僚丸投げはいけないのですが、かといって、政治家が力んで具体的数字や細部まで決めてしまった後でいざ執行しようとしたら、問題点がポロポロ出てきてやり直し…というのも困ります。
したがって、政治家は方針(補正予算を見直す、どの分野を重点的に見直す…)を掲げても、具体的数値や細部(どの事業を廃止する)といったことについては、まず一次作業として官僚にやらせた方がいいと思います。(もちろん官僚の作業は一次作業に過ぎないので、政治家がそれをみてダメだと思ったら突っ返すなり、その段階でこう直せと具体的指示をするなりすればいいと思います。)
もちろん、省庁間の調整が難航した場合は、政治家が積極的に調整に乗り出す必要がありますが、まずは官僚にやらせる方がいい。
政治主導とは、方針を決め、最終的な決定を行うことを、政治家が主体性と責任をもってやるということだと思います。そこさえ政治家が自覚しておけば、方針の段階であまり具体的なことまで踏み込んで言う必要はないし、途中の作業は官僚にやらせることで、行政の効率的・円滑な執行ができ、整合性の欠落や漏れというミスを防ぐことができ、官僚の士気を低下させることもないと思います。
政と官の在り方は、既に政府の方針が策定されていますが、実際の運用に当たっても、
政と官がそれぞれの役割を自覚し、お互いに信頼し協力し合う姿勢を失わないでほしいです。
政と官の在り方(平成21年9月16日閣僚懇談会申合せ)
http://www.kantei.go.jp/jp/tyokan/hatoyama/2009/0916siryou2.pdf