ジャーナリスト・上杉隆氏、久々(?)の会心のコラムです。
国民に訴えた小泉解散会見と、党に謝罪した麻生解散会見の落差
http://diamond.jp/series/uesugi/10087/
…解散直後の午後6時、4年前の小泉純一郎元首相の“伝説”の演説を意識したのだろうか、麻生首相は、赤いカーテンをバックにネクタイまで水色というまるで同じスタイルで解散会見に臨んだ。
…冒頭から謝罪をするという奇策を採ったものの、原稿に目を落としたままの棒読みに迫力は感じられなかった。 しかも、その内容は、午前中の自民党の懇談会で話したものとほとんど同じで、さらに、国民に向かっての記者会見のはずであるにもかかわらず、自民党総裁として、党員への謝罪と支持訴えに終始している。 これでは、いったい麻生首相が、国民に何を訴えたかったのか、なぜ解散をしたかったのか、さっぱりわからない。…
上杉氏は こう述べ、この後、小泉氏の郵政解散会見との違いを実に明瞭に浮かび上がらせています。
「私は本当に国民の皆さんが、この郵政民営化は必要ないのか、国民の皆さんに聞いてみたいと思います。言わば、今回の解散は郵政解散であります。郵政民営化に賛成してくれるのか、反対するのか、これをはっきりと国民の皆様に問いたいと思います」
このコラムを読んだ後、改めて、二人の総理の会見を聞いてみた。
H17.8.8 小泉内閣総理大臣記者会見[衆議院解散を受けて]
http://www.kantei.go.jp/jp/koizumivideo/2005/08/08kaiken.html
H21.7.21 麻生内閣総理大臣記者会見
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg2688.html
http://www.kantei.go.jp/jp/asospeech/2009/07/21kaiken.html
…今回の総選挙は、どの政党が政権を担うのにふさわしいのか、国民の皆様に判断をしていただく大切な機会です。 私は、皆様の生活を守るため、景気の回復と安心社会の実現をお約束します。 今度の総選挙は、安心社会実現選挙であります。国民に問うのは、政党の責任力です。この約束ができなければ、責任を取ります。これが、3つ目の約束であります。 政治の責任を果たす。重ねて申し上げます。子どもたちに夢を、若者に希望を、そして高齢者に安心を。そのために、私は、私の信じる自由民主党の先頭に立って、命をかけて戦うことを皆さん方にお誓いを申し上げます。 ありがとうございました。
お二人とも10数分程度の会見。
しかし、訴えかけてくるものがこんなに違うものなのかということを感じさせられてしまった。
国民に、郵政民営化の是非を問いかけた小泉会見。
国民
自民党員
に、景気回復
安心実現
財源
民主党批判
を語った麻生会見。
麻生総理はいろんなことをおっしゃったけど、結局、なんで解散するのかわからんなぁ~と思ってたら、
この後、質疑に移って、冒頭の質問が
「まず、総理は就任以来、これまで衆議院を解散する機会は何度かあったと思いますが、
本日この時期になぜ衆議院を解散されたのか、
その理由をお聞かせください。」
だったのには、 「プーーっ」と吹いてしまった。
いやいやいや、さっきまで10分強、麻生さん熱弁ふるってたっしょ。
全然伝わってなーいやーんか( ・д・)/--=≡(((卍 Σ\( ̄ー ̄;)
決して、記者の嫌味じゃなく、本当によくわからんかったんだろうなあと思った。
対して、小泉さんの場合は、行財政改革を進める、官から民へ、民間に任せられることは民間に、
といった構造改革の本丸として郵政民営化があり、郵政民営化ができなければ何ができようか、
そうずっと訴えてきたが、参議院で否決された ー郵政民営化の否決は小泉不信任と同じだ、
いったい国民は賛成なのか、反対なのか、それを直接聞いてみたい、
だから解散するんだ…
と、政治信条から素直に語っているので、芯が通っているし、理屈も(意外に)理路整然としていて、
私にはストンと落ちる。
━─━─━─━─━─◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
もう一つ、象徴的な違いを発見した。
「信念を通すためには分裂も辞さじ」とする小泉氏と、団結に腐心した麻生氏の違いです。
小泉氏は、「郵政民営化に反対する者は公認しない」と延べ、
記者から「それで選挙になるのか、分裂選挙になるのでないか、勝つ自信がおありなのか?」
と質問されたことに対し、
「私も率直に言って選挙はやってみなければわからないと思っている。しかし、選挙後、郵政民営化賛成の勢力と協力していかなければならないと思っている。郵政民営化反対の勢力と協力することはありません。だからこそ郵政民営化に賛成の自民党と公明党が選挙で過半数を得ることができるように全力を尽くします。自民党と公明党で過半数の議席を得ることができなかったら私は退陣します。」
と述べている。
文章に書き起こしてみるとあまり答えになっていないと思いました(*゚ー゚)ゞ が、
要するに、自分の信念を通すためには分裂選挙も辞さじという強い決意です。
それに対して、麻生氏は、両院議員懇談会で、一致結束、一致団結を訴えました。
そして、演出なのか、中川秀直氏も一転協力姿勢に変わり、握手するという奇妙な仲直りまで
私たちは見せられました。
→なんか、変わったことあったっけ??
麻生さん、謝罪はしたけど、それくらいで許すなら、中川氏もあんなに拳振り上げんなよーぃ
さらに、解散会見でも、党内の結束の乱れを謝罪するという異例の会見を行いました。
信念を通した小泉さん、団結に腐心した麻生さん。
いかにも対照的でした。
まだ、いまだに自民党はマニフェストを作成しておりませんが、
マニフェストができたら、麻生さんは、自身の政治信条からほとばしる自らの言葉で
それこそ骨太の方針を語ってほしいものです。
