かんぽの宿 売却問題 | ニュースな話題

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鳩山邦夫総務相が、日本郵政が「かんぽの宿」をオリックス不動産に一括譲渡する方針について批判を繰り返し、日本郵政が売却を一時凍結することになった。



こうした動きに対し、竹中平蔵元総務大臣が『ポリシーウオッチ』で、

鳩山総務大臣の発言は事実誤認による発言と、反論している。

http://policywatch.jp/hottopic/20090126/782/


その要旨は、

鳩山大臣は、正当な入札手続きによってオリックスに売却することが決まった段階で横やりを入れているが、

①「不況で安い時期に売るのは良くない」というが、機会費用の概念を考えない議論であり、

  機会費用をも考慮した経営判断は民間にゆだねるべきであること

②郵政民営化の検討の正式な指示があった2003年(平成15年)秋以降、宮内氏が郵政民営化に

 関わったことは一切ないこと

③よしんば、宮内氏が議論に関わっていたとしても、オリックスが購入してはいけないという理屈はないこと

④もし、こんな議論がまかり通るなら、政府の議論に民間人は一切関わらないことになるが、

 それは族議員、官僚の思うつぼではないか

⑤したがって、今回の鳩山大臣の発言は、政策決定のプロセスから民間人を排除しようとすることに

 ほかならないこと


これに対し、鳩山大臣も記者会見で反論している。

http://www.soumu.go.jp/menu_01/kaiken/back_01/d-news/2009/0120.html


その要旨は、

①「公正(正当)な入札」というが、アドバイザーの存在など不明朗な部分があり、公正だったかどうかは

 調べてみないとわからないこと

②機会費用については、日本郵政からは何の説明もないこと

③2003年(平成15年)10月までは、宮内氏が議長をしていた総合規制改革会議で郵政民営化の議論

 がなされており、その後も宮内氏は諮問会議との連携に意欲を見せていることから、2003年以降の対応

 のみを論じるのはミスリードになる恐れがあること

④こんな議論がまかり通るのなら公職の引き受け手がなくなるというふうに言われるが、

 まず、そういう目論見がある人は最初から公職を引き受けるべきではない。

公職を引き受けた以上は「李下に冠」 。

自分が関連したことからは身を引くという姿勢が必要。




どちらの主張が説得力あるのか、考えてみた。


1今売るべきか?

  →それは誰にもわかりませんが、総務大臣が口を出していけないわけではない。


   竹中氏は、今売るかどうかは経営判断の問題であり、それは機会費用を考慮して民間が判断

  すべきものと言っています。

   この不況です。今売っておかないと、将来買い手がつかないかもしれません。

   たしかに経営判断の問題です。第一義的には民間(日本郵政)が決めることです。

   しかし、日本郵政の経営判断に対して、株主である政府にも拒否権があります。

   したがって、まったく民間に委ねるべきで政府が口を出してはならない、というのはどうかと

  考えます。


 

2落札価格は妥当か?

  →土地代が考慮されていないこと、入札時に資産内容が十分公開されていないこと等を考えると、

   疑問です。


   オリックス不動産の落札価格は、109億円。

   日本郵政は、簿価(141億円)から減価償却を引いた実際の資産価値は93億円であるから、

   落札価格は妥当と言っている。 


   ところが、かんぽを造るのに、土地代と建設費あわせて2400億円かかっていたことが明らかに

  なった。http://www.47news.jp/CN/200901/CN2009012801000856.html

   また、一括売却の中に、『ラフレさいたま』のような優良物件や、品川区・横浜市等の首都圏の

  社宅も含まれているという。

   しかし、社宅に関しては、「首都圏社宅計9箇所」と記載しているだけで、詳細は示されていないと

  いう。(2009.1.29報道ステーション)


   さらに、旧日本郵政公社が鳥取県岩美町の「かんぽの宿」を1万円で売却、それを購入した東京の

  不動産会社が、半年後に鳥取市の社会福祉法人に6000万円で転売していたことが29日分かった。

  不動産業者、6000万円で転売=1万円の「かんぽの宿」-鳥取

   http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2009012900974


  市場価格は、6,000万円だったわけか…。


   こういう事例をみると、109億円は本当に適正な価格なのか?と思えてくる。



3入札に問題はなかったのか?

  相当の資産価値があると思われる首都圏の社宅に関して、入札ではあまり具体的な説明が

   されなかったのが事実であり、かつ、オリックスがそれを知っていたならば疑問が残ります。


   竹中氏は公正に実施された入札に総務大臣が横やりを入れるのは問題と言い、

  総務大臣はそもそも公正・妥当な入札だったのかを問題視している。

 

   もし、かんぽの宿の資産内容を十分に公開していたら、もっと高い落札価格となった可能性も

  あると考えると、入札の妥当性に疑問が生じる。

   落札を取り消し、資産内容を十分に公開した上で再入札することも検討されるべきでしょう。


  

4オリックスが買うのは問題なのか?

  →法的には問題ないが、倫理的にオリックスは参加すべきはなかった。


   宮内氏は、仮に郵政民政化の議論に直接参画していないにしても、規制改革推進会議の議長

  として、以前に郵政民営化を推進していたことを考えると、やはり、「李下に冠を正さず」という言葉

  がピッタリする。

   オリックスは今からでも辞退するのが潔いと思います。(辞退に伴う損害賠償のことは知らん)



かんぽの宿譲渡問題(特集)

http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/kanponoyado/


「かんぽの宿」譲渡問題で、オリックスにブーイングの嵐(上) | 東京レポート[特別取材]
http://www.data-max.co.jp/2009/01/post_4189.html


「かんぽの宿」譲渡問題で、オリックスにブーイングの嵐(下) | 東京レポート[特別取材]
http://www.data-max.co.jp/2009/01/post_4190.html

格差社会をもたらした労働派遣法改正

 小泉純一郎政権は諮問政治といわれた。規制改革・民間開放推進会議がまとめた規制緩和の重点項目を、経済財政諮問会議が検討、政府の施策に組み入れたからだ。経済財政諮問会議の司令塔である竹中平蔵・元総務相(現・慶応大教授)と推進会議議長の宮内氏が、「官から民へ」の小泉構造改革の両輪を果した。

 宮内氏が議長を務める規制改革会議は労働市場、医療など重点6分野の規制緩和を提言。現在、問題になっている製造業への派遣労働の自由化を推進した主力機関だ。

 メーカーの製造ラインへの労働者派遣が解禁したのは、04年の労働者派遣法改正。規制緩和を錦の御旗に掲げる小泉構造改革のひとつ。安い労働力を背景に、世界市場を席巻している新興工業国に対抗するために派遣労働を解禁。派遣の賃金を低く抑えること、派遣をいつでも解雇できるようにすることに狙いがあった。派遣法改正が社会の格差を拡大し、非正規労働者の大量解雇をもたらしたと非難にさらされているのは、そのためだ。

 派遣労働の自由化については、規制緩和を論議する会議のメンバーに、利害関係者である人材派遣会社の経営者が組み込まれたことがそもそも重大な問題だった。

 改革会議には、人材派遣業界からザ・アールの奥谷禮子社長とリクルートの河野栄子社長の2人の委員が入っていた。しかも、改革会議議長の宮内氏が会長を務めるオリックスはザ・アールの第2位の大株主で、リクルートはザ・アールの取引先である。

 3社は事業上にも密接なつながりがあり、中立性に疑問をもたれたのは当然のこと。改革会議での検討内容が、ほとんどそのまま閣議決定され、労働者派遣法改正が成立した。

 “宮内チルドレン”と陰口を叩かれたザ・アールの奥谷社長は当時、「格差論は甘えです」「今の失業はほとんどが『ぜいたく失業』」と発言して物議を醸した。

改革利権の受益者

 宮内氏は公人と私人(企業人)の立場を実に巧みに使い分ける。公人としては参入障壁が高い分野の扉をこじ開け、企業人としては先頭に立って、その分野に新規参入する。規制緩和を推進して、既得権益を潰した後には、新たな利権が生まれる。規制緩和・民間開放のリーダーという立場を利用して、改革利権を商売に結びつけてきたのが宮内氏だ。

 宮内氏が享受する改革利権は、3つに分かれる。1つは、本業である金融部門の規制緩和による改革利権。2つは、行政に保護された統制経済の規制緩和による改革利権。ターゲットは農業・医療・教育の分野。3つは官業開放による改革利権である。

 宮内氏が主導する規制緩和が実施されるたびに、オリックスはその分野に投資をし、新会社を立ち上げてきた。あの村上世彰氏(インサイダー取引容疑で公判中)が率いた村上ファンドは、オリックスの子会社だった。

 98年の投資信託法の改正で私募ファンドの設立が認められるや、翌99年に通産省(現・経済産業省)を退官した村上氏にオリックスグループの休眠会社を与えて投資会社にし、同時に投資会社に45%出資し子会社に組み入れた。

 宮内氏が力を入れたのは医療分野の規制緩和。99年に、官による事業を開放する規制改革としてPFI(プライベイト・ファイナンス・イニシアティブ)推進法が成立。経営を民間企業に委託するPFI方式を採用した全国初の公立病院、高知医療センターの運営を引き受けたのが、オリックスグループを中心とする特定目的会社だ。

 06年には、小泉規制改革の実験場である神奈川県の構造改革特区に誕生した日本初の株式会社病院バイオマスターにオリックスが投資している。数えあげればキリがない。
 「規制緩和は最大のビジネスチャンス」。宮内氏の有名な語録だ。

 問題は、ルールをつくる側とプレーヤーが1人2役を兼ねていること。規制緩和は新しい利権を生んだ。改革利権の最大の受益者が宮内氏のオリックスである。

 「かんぽの宿」をオリックスグループが一括譲渡するのも、郵政民営化がもたらした改革利権にほかならない。だが、その改革利権を享受することに待ったがかかった。格差社会の拡大によって、その象徴的存在の宮内氏に逆風が吹きつける。