来年度予算で、社会保障費を2200億円圧縮する方針を維持するのか、見直すのか?
大きな焦点になりつつある。
社会保障費の2200億円圧縮は、平成18年の『骨太の方針2006 』で、
19~23年度の5年間で1.1兆円削減する方針を決めたことによる。
これは、小泉政権の「改革なくして成長なし」の旗印の下、公共事業の毎年3%削減と並んで
構造改革を断行するシンボリックなテーマであった。
特に、一般会計の税収約50兆円に対し、社会保障費が20兆円を超える現状で
少子高齢化が急速に進行していることを考えれば、社会保障の見直しは必至であったことは
間違いない。
しかし、こうした財政縮減の結果、医療・介護制度が崩壊の危機に瀕している ことが
最近相次いで報告されつつある。
・医師偏在から医師不足へ
・依然として「たらいまわし」がなくならない救急医療
・産婦人科、小児科、さらには訪問介護事業所までもが相次いで廃業していく…
そして、
後期高齢者医療制度をめぐる混乱。
一部の富裕な「先生」を除き、産婦人科医、看護師、ヘルパーなど命を預かる方々のほとんどは、
これまで、薄給、重労働にもかかわらず、休みもとれず、使命感だけで働いてきた。
しかし、そうした人へこの数年間でさらにしわ寄せがのしかかり、もう使命感だけでは支えきれなくなってきているようだ。
一方、我が国は、地方も合わせ全体で1,000兆円を超える財政赤字を抱える。
国民一人当たり約800万円の借金を背負っている計算だ。
しかも、この借金は1秒単位で加速度的に増加している。
こうした現状で、社会保障をどうするかは、とどのつまり、
「小さな政府」にするのか、「大きな政府」にするのか
であると思う。
(A) 20兆円の中身を見直して財政規律の維持に努めるのか。
(B) 財政膨張には目をつぶり、社会保障の充実を図るのか。
税金をどのくらい徴収し、どのように使うか という、政治の原点を考えることになる。
従来の政治家は、(A)か(B)かと言われれば、間違いなく(B)の大盤振る舞いを選択していた。
しかし、今も続く小泉人気は、明日が良くなるなら今の痛みに耐えてもよい、という国民も少なからずいる
ことを示している。
一方で、ワーキングプアの増加を背景に、共産党の支持率が拡大に転じるなど、大きな政府を求める声も一部に広がっている。
どちらを選択するのか?
これこそ、まさに民意を問うにふさわしいテーマではないか![]()
党内がまとまらないのなら、政界再編するべきょ
(といいつつ、今年度は、医療・介護には手をつけず、雇用保険の国庫負担廃止で2200億圧縮するという話がもうちらほら出ていますね。)
社会保障費に膨張圧力・毎年2200億円抑制の政府目標
社会保障費の自然増分を毎年2200億円抑制する政府目標が達成できなくなる懸念が強まってきた。
後期高齢者医療制度への批判を受け、自民党の厚生労働関係合同部会は27日、2009年度は削減を見送るべきだと決議した。厚生労働省も「別枠」で社会保障費を要求する検討を始めた。
社会保障費の抑制は国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)を11年度に黒字にするための前提で、財務省などの反発は必至。09年度の予算編成で最大の焦点となりそうだ。
27日の自民党の合同部会では「社会保障費の抑制は医療の崩壊につながる」との声が相次いだ。
これに関連し、舛添要一厚生労働相は同日の会見で2200億円の抑制は「限界に近い」としたうえで、「無駄を省いて行政改革という話もあるが、国民の生命のためになることにはきちんと予算をつけることも必要」と強調した。
(5月28日 NIKKEI NET)
尾辻氏は「毎年2200億円削るのは絶対に無理。今年6月の骨太の方針で、来年度の削減に触れさせてはいけない。まだやるとなれば日本の医療が崩壊する。命懸けの勝負をする」と述べた。
また、社会保障における国民負担率を国民合意で決める必要性を強調した上で、「いずれ(財源が)足りなくなるので消費税を上げるべきだと思う」と強調。講演後、記者団に引き上げ率に関し「3%程度は必要」との見解を示した。
(5月25日 47NEWS)
社会保障費抑制は「限界」
自民党の谷垣禎一政調会長は31日、秋田市内で講演し、社会保障費の伸びを毎年2200億円抑制する政府方針について「一生懸命無駄を省いてきたが、社会保障分野を削ることには限界がある」と指摘した。同時に、消費税率引き上げについて「責任ある問題提起をしないといけない段階に来た」と述べ、近く始まる党税制調査会で議論する考えを改めて示した。
(5月31日 時事通信)