バイデン大統領が、大統領選からの撤退を表明した。

 

世界で最も大きな影響力を持つ米国の大統領が、高齢で正常な判断ができない状態となれば、世界中が大混乱に陥ってしまう。

 

その可能性が高い年齢に近づいているバイデン大統領の撤退は、世界のリスクを一つ取り除くこととなる。ひとまずは安堵の思いだ。

 

しかし、大統領選まで3ヶ月半を切る中で、民主党は、今後の候補者選びが大変だ。従来の方法で候補者を決めるには時間が足りず、安易な方向で後継者を決めれば将来に禍根を残す。

 

バイデン大統領はハリス副大統領を後継に指名したが、副大統領として目ぼしい実績はなく、候補者として十分な資格があるかを検証するには時間が足りない。

 

大統領候補は通常1年くらいかけて絞られるが、その手続きを経ないことが懸念材料だ。後からボロが出ても困るが、短期決戦であれば当面は彼女に有利となる。

 

トランプ氏より20歳近く若く、女性であり、かつ黒人であることが、違いを際立たせるポイントである。

 

勢いに乗る共和党のトランプ氏を前に、米国で初めてガラスの天井を破ることができるかが注目される。

 

バイデン大統領の出馬辞退で、大統領選は新たなステージに入ったが、米国政治の不安要因は依然残ったままだ。今後の動きにも注意が必要だ。