知事選は、過去最多の56人が出馬した。志のある人が誰でも出馬できる環境を整えることは重要だが、法律に違反しなければ何をしても良いということではない。

 

選挙を営利や売名で利用するようなやり方は、民主主義の未来を危うくする。法で細かく規定しなくとも、最低限のルールは守れる国家であってほしいと思う。

 

知事選では、有効投票数の一割に達しない候補は供託金が没収される。今回は53人が没収となったが、10万票を超えた候補が複数いたことは注目したい。

 

マスコミは、主要候補以外の報道はほとんど取り上げないため、全ての候補者の訴えを把握するのは難しい。

 

そのため、つい見落としてしまいがちだが、都政の問題に正面から取り組んだ候補が、主要候補以外にもいたことは指摘しておきたい。

 

AIエンジニアの安野貴博氏は、AIをフル活用した選挙戦を展開した。参加型のマニフェストは130ページに及び、非常にわかりやすいものになっている。

 

結果は、15万を超える票を得て、田母神氏に次いで5位となった。選挙に熟知した参謀がいれば、石丸氏より注目される存在になっていたかもしれない。

 

選挙には勝つための方程式がある。今回は、それが足りなかったのが残念だ。同氏は、今後も政治との関わりを続けたいという。これからの活動が楽しみである。

 

医師の内海氏や、顔を出さなかった作家の暇空氏も、10万票を超えた。タレントの清水氏は、都政への思いは伝わったが、思ったほど票は伸びなかった。

 

 

 

都知事選における安野貴博氏のマニフェスト表紙