政治とカネの問題に終始した国会が、今日で実質的な閉会となる。野党の追及も国民の多くの支持を得られるような流れにならず、政治不信が増大した国会と言ってよい。

 

19日の党首討論は、首相の本音も垣間見えた。立民を激しく批判し、驚いて目を剥いた泉代表の顔も印象に残った。このようなやりとりは頻繁にあった方がよい。党首討論が3年ぶりというのは実に残念だ。

 

岸田内閣はそれなりに成果も出している政権だ。外交や安全保障では一定の存在感を示し、今国会は62本の政府法案のうち61本が成立、批判を受けながらも政治資金規制法の改正も実現した。今日は骨太の方針も決定する。

 

しかし、それが評価につながっていないのは、総裁としての責任が曖昧だからに他ならない。党の総裁である以上、その責任から逃れることはできない。それができていないゆえに支持も低迷している。

 

総裁選の前に進退をはっきりさせ、一定の区切りをつけるべきである。晩節を汚さぬ判断をして欲しいと思う。再選にこだわれば、望まぬ結果になるのは自明だ。

 

他人に厳しく自分たちに甘い立民は、自民以上に深刻だ。立民の支持が上がらないのは、国民がそのことを知っているからに他ならない。

 

口汚い言葉で自民を批判しても、ブーメランになるのが今の立民だ。この問題を乗り越えないと、国民の信頼を得るのは難しいだろう。党内でこの問題はしっかり総括した方が良い。

 

国際情勢が厳しさを増しているにも関わらず、国会で政治改革以外の論点は深まらなかった。その責任は与野党ともにある。

 

国民の政治不信を解消するためにも、お互いに国民が納得できるリーダーを選び直すことから始めた方が良いだろう。