政府の「デジタル行財政改革会議」で、基金事業の見直しが行われた。会議では、すでに役割を終えたとした15の事業を廃止するとともに、使う見込みがなくなった5,400億円余りを基金から国庫に返納させることを決めた。

 

成果目標の設定や予算措置、事業見込み・保有資金規模、終了予定時期などを200の基金事業152基金で点検し見直した。事業に原則10年の期限を設け、効果を検証し透明性や適正化も進めるとした。

 

基金は、岸田政権下で50件5兆円近い事業が新たに設置され、特出ぶりが目立つ。全体の1/4が岸田政権で造成された計算だ。23年度補正予算では、46件の事業に4.3兆円を投入し、そのうち11件7,600億円が新規事業であった。

 

基金は、複数年度の運用が可能で、年度を気にせず事業を行える利点はあるが、造成時に細い使い道まで指定しない場合が多く、チェックやガバナンスが甘く既得権益化されやすい傾向がある。役割を終えた基金の廃止は当然だ。

 

同時に基金は、事業の内容がわかりづらいという問題もある。技術開発や経済対策で一定の成果を出しており、必要性は理解するが、事業内容は国民にもっとわかりやすく説明する必要がある。政府の更なる対応を期待したい。