岸田首相が、米国上下両院合同会議で日本人では2人目となる演説を行った。英語でエピソードやジョークを交え、居並ぶ米国議会の議員に対し笑いや拍手を受けながらの演説は、日本で見る首相の姿とは違う。

 

派閥の資金問題で連日国会で追求される首相にとって、米国議会の方が心地良いのだろうと感じた。十数回のスタンディングオベーションを受け、時には笑みを浮かべながら語る姿が印象的だった。

 

演説では、日米の緊密な連携と結束を求め、日米関係を共通の価値観に基づく関係から共に支え合うグローバル・パートナーに格上げし、日本も責任を果たしていくことを約束した。政権が変わっても日米の関係は不変だという思いを、強く意識した演説だ。

 

日本では一部の野党やメディアからは、米国の戦争に巻き込まれると批判的な声も出そうが、緊迫する国際情勢の中で対話ばかりに頼ったり、あやふやな態度に終始することの方がリスクは高い。議会での首相の演説は、高く評価されたとのことだ。

 

このような言い方ができれば国内での評価も変わる可能性がある。帰国後に元の首相に戻らないことを祈るばかりだ。