インドでのG20サミットが閉幕した。

 

習近平やプーチンが欠席し、首脳宣言の採択も危ぶまれたが、異例とも言える冒頭採択で、議長国であるインドの存在感が際立った。

 

ロシアの侵略行為は玉虫色となったが、世界の食糧やエネルギーの安全保障への懸念に言及し、戦争を全面的に否定したことで、各国の理解を得た。

 

途上国の課題を多く取り上げ、アフリカ連合のG20入りを実現したことで、グローバル・サウスの盟主としての立場も鮮明にした。

 

中国を抜き世界1位の人口となったインドは、これからが黄金期である。GDPは、2027年には日本を抜き世界3位になる可能性が高い。

 

経済が飛躍的に成長する機会の窓は、2050年まで開き続ける。成長に翳りが見えた中国に代わり、世界経済の牽引役として今後が期待される。

 

カーストやスラムをイメージする人もいるが、それは古い見方だ。中露と違い民主国家でもあり、一夜で政治環境が変わるリスクもない。

 

ITや科学技術の分野では、世界トップクラスでもある。先進国や中露に対抗して第3極の中心となる思惑も隠さないが、日本にとっては益々重要な国になっている。