政府は、福島原発ALPS処理水の海洋放出を、早ければ24日にも開始することを正式に決定した。東日本大震災の事故から12年、数十年はかかると言われる廃炉への作業が、次に向けて動き出す。

 

ALPS処理では、事故で汚染された水の中に含まれる63種類の放射性物質のうち、62種類を複数の処理施設の吸着剤やフィルターで、国の規制基準値以下に除去する。

 

残るトリチウムは、フィルター等で取り除くことができないため、海水で大幅に希水し放出する仕組みとなっている。

 

政府は、海洋放出、地層注入、地下埋設、水素での放出、水蒸気での放出の5つの処分法を検討し、最終的にモニタリングしやすい海洋放出に決めた。

 

トリチウムは自然界にも存在し、他の放射性物質に比べ安全性は高いと言われるが、そのトリチウムも大幅に希釈した上で、海洋放水する。

 

IAEAが現地を視察し、安全性も担保している。世界の原発施設では、日本が放出するトリチウム以上の数値で放水している施設も多い。

 

政府やIAEAは廃炉までモニタリングを続けるとも約束している。風評被害を防ぐためにも、事実を正しく把握し問題点は議論すべきである。