4日の都議選は、10月までに予定される衆院選を占う重要な選挙だったが、結果は与野党ともに厳しいものとなった。大敗を免れ都政第2党を維持できた都民ファーストが一番得をしたのかもしれない。

 

与党からは衆院選への不安の声も出始めている。コロナ対策や五輪開催への取組が、都民の理解を得るに至らなかったためだ。

 

菅総理は最近、ワクチン接種や五輪開催で前面に立ち取組を進めている。成果もそれなりに出しているのだが、残念ながら国民の評価は少ない。一つ問題を解決する度に新たな問題が噴出し、注目がそちらの方に向いてしまうからだ。

 

その原因は総理自身にある。対処能力や腕力に長ける菅総理の政治スタイルは課題解決型だ。長期展望より、問題点を指摘し解決することを得意とする。従ってトップより黒子が向いており、危機時のリーダーとしては少し心細く映ってしまうのだ。

 

自民党総裁の任期は9月末までなので、衆院選前に総裁選を行うべきだろう。菅総理も含めた自民党の次期総裁候補が、国家観を論じ合い、不安が払拭できれば、野党が不甲斐ない分、自民党への期待が上がる可能性はある。