中国の王毅外相が来日し、菅首相や茂木外務大臣と会談を行った。菅内閣としては、初の中国要人との対面での会談となる。

 

中国は、日本の首相や米国の大統領が交代したこのタイミングを好機と捉え、日本へのアプローチを積極的に進めている。日本国内でも、経済と安全保障を切り離し、経済交流は積極に取組むべしとの声は強い。

 

しかし、経済と安全保障を切り離すのは危険である。尖閣問題がこれ以上悪化しないために両国で危機回避のメカニズムを構築しようと中国は主張するが、これを認めると結果として尖閣の領有権は曖昧になってしまう。

 

今は柔和な対応で接するが、いつ強面な態度に変化するか分からないのが中国である。

 

世界の大国となった中国の夢は、いずれアメリカを抜き世界一位となることである。しかし、その体制は一党独裁であり、権力者の意に反するものは強引に排除する。自由や人権は、権力者の意に反しない限りとの前提がつく。国民は監視され、人権は国家の管理下にある。

 

隣国として重要な国であるゆえに、中国との交流は長期的な視点で、順番を間違えず慎重かつ毅然とした態度で進める必要がある。