政府はSociety5.0を実現するためにはAIが鍵となる基本技術であるとの観点から、AIの社会実装を推進する『AI戦略2019』を策定し、取組を加速するとしている。

 

AIに関しては様々な会議が立ち上がっており、政府は「人間中心のAI社会原則会議」を設置し、基本原則を定めながら、「IT戦略本部」や「統合イノベーション戦略推進会議」「総合科学技術・イノベーション会議」などで方向性や施策の制度設計等の具体的な取組を進めている。

 

主務官庁となる総務省や経産省、厚労省などでは社会実装に向けた議論や取組を始めており、それ以外の省庁でも関連の会議や検討会が発足する方向である。すでに現時点でも20以上の会議や検討会が立ち上がっている。

 

総務省は、「情報通信審議会・次世代人工知能社会実装WG」 で『次世代人工知能社会実装戦略』をまとめ、「AIネットワーク社会推進会議・AI経済検討会」でインクルーシブなAI経済社会を実現するとして報告書を提出した。その上でAI活用のプロジェクトを速やかに実行するとして、今年2月に「AIインクルージョン推進会議」を発足し、AIの社会実装に向けた具体的なプロジェクトとしてまずは外国人に関するプロジェクトを提言、今後も地域・地方や女性などの検討を順次進めるとしている。

 

厚労省は「保健医療分野におけるAI活用推進懇談会」「保健医療分野AI開発加速コンソーシアム」などで議論を始めており、経産省は「人工知能技術戦略会議」で基本戦略を策定し、「AI・データ契約ガイドライン検討会」「スマートモビリティチャレンジ推進協議会」などで産業界のAI議論をリードしている。

 

会議や検討会の中には小委員会やWGなどを立ち上げさらに細かい議論を重ねているものもあり、AIがいよいよ注目の分野となってきたと感じる。どの省庁でどのような議論が行われているかを横断的に知ることが非常に重要であり、AIに関する会議はできれば全てを捕捉した方が良い。俯瞰的に政府の考えを知ることで取組みたいアイディアやビジネスが明確となってくる場合もある。

 

政策リサーチはこのような事例を省庁横断で調べるには、最適のシステムとなっている。興味のある方は是非活用していただきたい。