尊重や対話 共生の道

 

 「今を創ろう~青春の1ページ~」をテーマに、第16回星槎祭を27日に本校で開催した。各クラスの模擬店、授業での生徒作品展示の他、バンド演奏、よさこい演舞などのステージ発表も行った。

 限られた時間の中で、一心に取り組んできたことを精いっぱい発揮し、高校生の心意気や、今この瞬間にしか表現できない輝きを来場者に感じ取ってもらえたのではないか。

 今週末に迎える11月3日は「文化の日」。この日を中心に全国各地で、また県内でも本校の星槎祭などをはじめとして、多くの文化祭やイベントなどが開かれるだろう。

 「自由と平和を愛し、文化をすすめる」ことを趣旨に掲げ、1948年に制定された文化の日。日本の文化を育んでいく国民、その個人の権利を守るためにある憲法が生まれた日でもある。

 文学や芸術、音楽、アニメ、そしてゲームなど多岐にわたる「文化」があふれる日本。そんな多様な文化を尊重することが、世界の平和にもつながるのだ。創造力の源泉である文化が技術革新や人材を育てる。そして、ひとは誰でも、生きている間中、いろんな文化に関わっていく。

 例えば、「多文化共生」という言葉がある。外国人らと互いの異なる文化を理解し合い、尊びつつ共に生きるという意味だ。

 私たちは日々の生活で、常に異なる文化に直面しながら、時に反発し、折り合いを付けながら生活している。同じ日本人であっても、他者との共存にはそもそも多文化共生という側面がある。だからこそ自分と異なる存在を尊重すること、認める寛容性や対話が鍵を握るだろう。薫り高い文化をそれぞれ持ちながら、開かれた社会を実現していくには、こうした要素は欠かせない。

 多様な文化が共存し、新たな文化も次々に生まれてくる現代は、「文化とは何か」があらためて問われる時代でもあるだろう。

 一つ一つの文化はそれ自体に価値があること、未来に引き継ぐべき大切な社会資本であるということを見失ってはならない。そして、人と人をつなぐ文化の力を社会にもっと生かし、地に足のついた文化の本質的な意義と理念を発信していくことが必要だ。

 平成最後の文化の日。この日は、あらためて「文化」について、じっくりと考えてみませんか。