古代十闘士記 ボコモン著
まえがき
これは、前著『十闘士の力を受け継いだ伝説』『十闘士の力を受け継いだ神話』に続く、私の三つ目の著作であり、また自身の研究の集大成である。
前著の元となった冒険や文献調査の中で、古代十闘士に関する史料が少ないことが気にかかっていた。
もちろん、古代十闘士に関する逸話は各地に残されている。しかし、それらは断片的であり、逸話同士でつじつまの合わないものも見受けられる。つまり、史実と創作とが入り混じっている状態であった。
そこで私は各地を巡り、当時の文献を集め、古代十闘士が実際にたどった歴史を明らかにしようと努めた。
途中で命を懸けるような場面もいくつかあったが、それだけで一冊の本が書けるほどであるため、ここでは割愛する。
この本には、私が知り得た史実を余すことなく記した。
十闘士の中にはいまだ出自等が不明のデジモンもいるが、私の体力の衰えにより、これ以上の研究の旅は困難と判断した。この本を元に、後進が研究が進めてくれることを期待したい。
最後に、この本を書くに当たって協力してくれたデジモン達に感謝を記したい。
オファニモンの城の管理人、エンジェウーモンには城に残る文献を多く提供してもらった。雷の闘士の手記等、貴重な文献を発見したのもあの城である。
アキバマーケットの会長であるジジモンには、氷のエリアに伝わる氷の闘士や土の闘士の伝承を聞かせてもらった。この本を書き上げる前に訃報を聞き、残念でならない。
アンティラモンに仕えるチィリンモンには、永遠の城や光の城下町等、ルーチェモン統治時代の遺跡を案内してもらった。あの旅で私達が回収した資料は保存状態が悪く、あのままではデータの屑として朽ちていただろう。
ホーリーエンジェモンは、全世界のトレイルモンへの乗車券を始め、旅の資金や執筆場所の提供等、様々な手助けを快くしてくれた。最高の息子娘である。
そして何より、私の旅に同行し、進まない研究に心折れそうな私を優しく励ましてくれた親友、ネーモンに最大の感謝を伝えたい。
紀元後 二百四十二年一月 ホーリーエンジェモンの城の一室にて
著者 ボコモン記す
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ということで、新しい長編『古代十闘士記』を始めました。
アニメ『デジモンフロンティア』および星流の二次創作『デジモンフロンティア02~神話へのキセキ~』の前日譚という体で書いていきますが、両作を知らなくても読める内容にしたいと思っています。
本作はフロ02の後、約30年後にボコモンが執筆したという設定です。
今回はまえがきということで短め。本編は次回投稿から始まります。
(まえがき執筆よりも、革表紙の画像づくりの方が時間かかったのはここだけの話(笑))
長編がどんどん長くなることに定評のある星流ですので、まーた長い小説になると思いますが、温かい目で見守っていただけると嬉しいです。
どうぞよろしくお願いいたします!