第72話 古代十闘士の伝説! 示される神々の名前 | 星流の二番目のたな

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デジモンフロンティアおよびデジモンアドベンチャー02の二次創作(小説)中心に稼働します。たまに検証や物理的な制作もします。
続き物、二次創作の苦手な方はご注意くださいませ。

 急いでデジヴァイスをポケットから出す。
『もしもーし! 信也はん、聞こえるかー?』
「ボコモン!」
 ナイスタイミング!
 友樹達やトゥルイエモンも俺の周りに近寄ってきた。
「ボコモンが連絡してくれたって事は、何か十二神族について分かったの!?」
 泉の期待の声にボコモンが答えた。
『そうに決まっとるわい! 古代の本の解読がだいぶ進んできたからの』
「もったいぶってないで早く教えろよ」
 純平がせっつく。
『そう急くない。解読した内容を今から送るマキ。……ああネーモン! それに触るなっ!』
 しばらく向こうでドタバタする音。
 その後、全員のデジヴァイスが軽い電子音を立てた。
「あ、届いたみたい」
 俺の横で、友樹がデジヴァイスを操作する。
 画面にデジモンの絵が表示される。それに合わせて音声が流れ出した。

『異世界より現れた12体のデジモンが、十闘士に力を貸した。陰で十闘士を支えた彼らの名をここに記す。

 一柱はユピテルモン。12体を束ねる者にしてあらゆる天候の支配者。

 一柱はユノモン。彼女の情報網にかかればいかなる秘密も暴かれる。

 一柱はネプトゥーンモン。海を司り、その力はユピテルモンに並ぶ。

 一柱はマルスモン。隠し武器を備え、勝利のためには手段を選ばない。

 一柱はミネルヴァモン。幼い姿からは考えられぬ攻撃力を秘める。

 一柱はアポロモン。太陽のごとき熱をその身に宿す。

 一柱はディアナモン。その刃は冷徹に敵を切り裂く。

 一柱はウェヌスモン。力は戦いではなく平和のためにこそ奮われる。

 一柱はバックスモン。その酒は弱き者の毒に、強き者の薬となる。

 一柱はケレスモン。彼女の怒りを買った者は永遠の飢餓にさいなまれる。

 一柱はメルクリモン。仲間の手となり口となり、世界を駆ける伝令。

 一柱はウルカヌスモン。数多くの腕であらゆる武器を即座に生み出す』

 そこには俺達が戦ってきた、そしてこれから戦わなければならないデジモン達の名前が示されていた。
「全12体のうち、倒したのはマルスモン、ウェヌスモン、ミネルヴァモン、そして純平達が倒したバックスモンで4体」
 輝一が指を折って数える。
「これだけ戦って、まだ3分の1しか倒せていないんだよね」
 暗い顔になる友樹の肩を、俺は勢いよく叩いた。
「ネガティブになるなって! 逆に言えばもう3分の1はいなくなったって事だろ?」
「その通りだ」
 トゥルイエモンが頷いた。
「それに今の君達には完成したダブルスピリットのプログラムもある。後は自分の力を信じるだけだ」
 トゥルイエモンの言葉に、俺と友樹、泉がそろって自分のデジヴァイスに目を落とした。輝一も純平も、ダブルスピリットの力で十二神族を撃破した。二人にできて俺にできないはずがない!
 決意を固める俺の耳に、ボコモンの声が聞こえてきた。
『解読した内容はそれだけではないぞい。一緒に送っ……タを見……』

 急に通信に雑音が混じった。ボコモンの声が遠くなる。
「ボコモン? おい!」
 俺はデジヴァイスを叩きながら大声を出す。
 雑音に混じって向こうの音が聞こえる。
『なんなん……こ…揺れは!?』
『うわ……外に変な渦巻きがで……る~』
『父母上、奥に逃げ……ださい! 時空がゆがんで……早…………』
 雑音が大きくなって、通信が切れた。

 俺達の間に沈黙が流れる。
「何、今の?」
 友樹が小さくつぶやく。
「きっと、ボコモン達がいる所に異変があったんだ。多分、十二神族の襲撃だろ」
 俺は音のしなくなったデジヴァイスを見下ろしながら言った。
 これくらいはすぐに分かる。問題はボコモン達が今どこにいるのか聞きそびれたって事。助けに行きたくてもこれじゃあ……。

「十二神族が狙う場所は、あと一つだ」
 トゥルイエモンの一言に、全員がはっと顔を上げた。
 俺が土のスピリットを回収した事で、9つのスピリットが俺達の手に集まった。
 残るは木のエリアのスピリットだけ。
「そうか! あの最後に聞こえてきた声はパタモン、じゃなくてエンジェモンの声だ!」
「さっきの通信は木のエリア、エンジェモンの城からって事ね」
 純平が手を叩いて、泉が付け足した。
「そうと分かったら早く助けに行こうぜ! いくら元三大天使の城でも敵が全力で攻めてきたらヤバイだろ」
 俺はデジヴァイスをしまいながら、みんなに声をかけた。
 トゥルイエモンが俺達を見回す。
「気をつけてな。最後にエンジェモンが『時空のゆがみ』と言っていたのが気になる。木のエリアではこれまでとは異なる事態が起きているのかもしれない」
「分かった」
 輝一が顔を引き締めて頷く。
 俺達は少ない荷物をまとめてすぐに、エンジェモンの城に向けて旅立った。



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と、いうわけで続いての話は木のエリア編=コラボ編となります! やっとここまで来ました!
……と言っても募集&準備期間があるので次から早速、というわけにはいきませんが(苦笑)
この後は

拓也輝二サイドの話(この裏でコラボ準備)

コラボ編

という流れになります。星流のリアルの都合もあるので、コラボ編に入るのは1カ月ほど先になると思います。

具体的なコラボ募集の内容も今日明日中にUPしますのでしばしお待ちください!